R&Bのプリティ歌姫=エイメリーによる、ヒップ・ホップ名門デフ・ジャム移籍第1弾アルバム。ファボラス×トレー・ソングスらをゲストにフィーチャー、ダンス・ポップのカワイコちゃんの殻を破り、ブルージーにロッキングにキメた作品。 (C)RS
JMD(2011/01/05)
2005年「1 Thing」の大ヒットでブレイクを果たし、一躍人気R&Bディーヴァとなったエイメリーのデフ・ジャム移籍第1弾となる通算4枚目のオリジナル・アルバム。プロデュースはテディ・ライリー、ショーン・ギャレット、ブライアン・マイケル・コックス等、ヒップホップ、R&Bファンにはたまらない鉄壁の布陣!LAリードを唸らせたという、「1 Thing」に負けないキャッチーなファースト・シングル「Why R U」は、ビヨンセ、Jay-Zとの仕事で知られるザ・ブキャナンズが担当。
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タワーレコード
結局USではリリースされなかった2007年の『Because I Love It』から2年ぶり、デフ・ジャムに移籍しての4作目。前作に続いてまたも不在のリッチ・ハリソンが次作に参加するという報も流れたが、それは世間があの“1 Thing”の印象をいまだ拭えていないことの表れだろう。ホーン・リフとドカスカしたビートが小気味良いテディ・ライリー製の“Tell Me You Love Me”や、ヒップホップ・ソウル調のブキャナンズ作“Why R U”もそんなイメージを踏襲したものだ。そういったアップに可憐な歌声を張り詰めさせる彼女ももちろん素敵なのだが、本作で際立っているのは後半のスロウ群。ブライアン・マイケル・コックスらによる美曲を丁寧に歌い込む様子には、デビュー作での麗しい姿を見る。こちらこそが彼女の醍醐味。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.316(2009年11月25日発行号)掲載)