端麗&神秘な曲づくりに定評のあるUKオルタナ/プログレッシヴの異才バンド=ミューズが、3年ぶりに放つ通算5枚目のアルバム。バンド初の完全セルフ・プロデュースで、"混乱の世界に向けて立ち向かう感動のマスター・ピース"と評される作品。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
99年に衝撃のデビューを果たした英ウェールズ出身の3人組。その唯一無比なサウンド・ダイナミズムでブリティッシュ・ロック・シーンに新風を吹き込む。サード・アルバム『アブソルーション』は、全世界で300万枚を超える大ヒット。2006年にリリースされた4作目、『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』は全英NO.1を獲得したほか、ヨーロッパ全土、アメリカでもTOP10入りを果たす。ライヴ・バンドとしても無敵の実力を誇るミューズ、2006年には英2大フェスのヘッドライナーを完全制覇。さらに新装オープンした英ウェンブリー・スタジアムでのライヴが45分で完売となる偉業も達成。通算5枚目、3年振りとなる待望のアルバム『ザ・レジスタンス』は、イタリアにあるマット・ベラミーのホーム・スタジオでレコーディングが行われ、バンド初の完全セルフ・プロデュース作品。ミックスはMark’Spike’Tent(Massive Attack、U2、Oasis)が手掛ける。
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タワーレコード
過剰な美意識が行き着くところまで行った(!?)、約3年ぶり5枚目となるニュー・アルバム。かねてからベルリオーズをフェイヴァリットに挙げるなど、クラシック音楽への憧憬を露わにしてきたフロントマンのマシュー・ベラミーだが、セルフ・プロデュースとなる今作ではついにフル・オーケストラのアレンジまでをもみずからが担当。実父(ジョー・ミークがプロデュースしたトルネードスのギタリスト)の遺伝子を受け継いだ〈宇宙までブッ飛び系〉の壮大な楽曲が目立つ前作に比べると、序盤の均整の取れたサウンドには若干モジモジしてしまうものの、中盤以降にクイーンを彷彿とさせるゴージャスなオペラ調のロックが覆い被さってきやがった。ス、スゴイ! ただただ感嘆の声を漏らすのみである。
bounce (C)平塚望
タワーレコード(vol.314(2009年09月25日発行号)掲載)