ツインギターとベースのメロディーがまるで計算しつくされたかの様に絡み合い、今の3ndを象徴するにふさわしいM-1、メロディアスなギターフレーズが印象的な初期衝動的ナンバーのM-3、すべてを包み込む様な壮大なサウンドにBa.山本のコンバスが更に涙を誘うM-6など、こんなに一曲一曲にストーリー性がありバラエティに富んだアルバムは、3ndにしか作れないだろう。 M-5のタイトルにもなっている【LOTUS】(ハス)は「水の中(迷いや執着)から抜け出し気高く花(意志)を咲かせる」という意味合いを持つ。何度も同じフレーズを繰り返すこの楽曲は、ハスの花びらが重なっている様とリンクし、目を閉じれば“迷い〜意志を咲かせる”映像が浮かんでくる様な一曲。
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タワーレコード
テンポ・チェンジを繰り返すリズムと変態を重ねるギター・リフ――残響組のなかでも、teに匹敵するスキルフルなマス・ロックを鳴らす彼ら初のフル・アルバム。ライヴの定番らしく一発で聴き手の集中力をさらう“monsoon”などマッシヴな楽曲が並ぶが、その狭間で叙情的な物語を紡ぐ“Lotus”がなかでも白眉。本作をもって脱退した山本昌史(NATSUMEN)によるコントラバスが、壮大なドラマに深みを与えている。
bounce (C)土田真弓
タワーレコード(vol.313(2009年08月25日発行号)掲載)