デーモン・アルバーンとの共演やアビブ・コワテとのプロジェクトなどを通じて、マリの音楽を世界に広めてきたアフェル・ボクム。自身のバンド、アルキバルを率いたこの3作目は、農民としても生きる彼の思想がしっかりと反映された一枚だ。〈祖国〉〈家族〉〈神への感謝〉をテーマにしたシンプルで奥深いヴォーカルと、カラバッシュなど伝統的な楽器の鳴りを活かしたゆったりとした演奏には、どこか懐かしい心地良さがある。
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マリ内陸部ニアフンケ生まれのアフェル・ボクムは、故アリ・ファルカ・トゥーレを叔父に持つギタリスト／ヴォーカリスト。偉大な叔父の影響の下、40年間に渡って活動を続けてきた彼の新作がこれだ。デーモン・アルバーンらとの『Mali Music』（2002年）にも参加していた彼だが、ここでは自身のルーツであるプール人／ソンガイ人の伝統文化に根ざしたデザート・ブルースを展開。アリほどドロッとしたブルース表現はないが、ニジェール河の流れのようにゆったりとしたサウンドにニアフンケの大らかな風土が滲む。
intoxicate (C)大石始