東京芸大の生え抜きで、ドイツに留学、同大学教授および名誉教授を歴任…と書くと、ガチガチの「ゲンダイオンガク」作曲家と思われるかもしれないが、さにあらず。60年代からテープ音楽を手がけ、70年代初頭には芸大に電子音楽スタジオを設置し、その講座も受け持っていた。さらに70年代半ばには都内の自宅に自作シンセサイザーを中心とするスタジオを造り、まったく独自の作品を制作していたという、パイオニア的人物なのだ。その南氏の自作シンセによる最初期の作品「電子交響曲第1番」を初めてリリース!アナログ・シンセ独特の空間的感触もさることながら、時に重厚な電子ノイズが迫り、ローランド・カインの諸作品にも通じる驚異の内容!穏健派と思われていた人が、実はマニアもぶっ飛ぶ音楽を作っているという、これもまた日本電子音楽の深い淵の秘宝なのだ!
タワーレコード
【OMEGA POINT】の偉大なる仕事!日本の電子音楽発掘も第10弾を迎えましたが、そこでこの方が来るとは全く想像出来ませんでしたね。日本の現代音楽作曲家の中で電子音楽の歴史を俯瞰した時に、正直、南弘明の仕事まではよく存じてませんでした。本作は自身の自作シンセによる最初期の作品『電子交響曲第1番』初の音盤化!独特な質感の音色で、時に雨嵐の怒号の様な容赦ない音塊が押し寄せます!芸大を出て、その名誉教授も歴任というアカデミックなシーンに身を置きながらもこういった作品を手掛けてたんですね。驚きました !
intoxicate (C)池田敏弘
タワーレコード(vol.80(2009年06月20日発行号)掲載)