"歌"を聴かせることによりフォーカスした、王道R&Bと美メロ満載のジェニュワインのアルバム。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
愛のために。R&Bのために。ジニュワイン、"男の想い"を歌う。90年代にティンバランドの強力バックアップでシーンに登場、最新鋭ヒップホップR&Bで一世を風靡した彼だが、今作は"歌"を聴かせることによりフォーカスした王道R&Bアルバムに仕上がっている。先行シングル「ラスト・チャンス」はプロデュースにブライアン・コックス、作曲にアドニス・シュロップシャーを迎えたエモーショナル・バラード。日本のR&Bファンのハートをつかみそうなロマンティック・バラードも多数収録、往年のジニュワイン・ファンのみならず、10代、20代のR&Bファンにも十分アピールするポップさ、イマドキ感を備えた傑作アルバム。
タワーレコード
ジョーやアルジェブラらを抱えるキダーにマネージメントを移して、ジニュワインが新作『A Man's Thoughts』をリリースした。2007年の『I Apologize』は彼の音源を無断使用した非公式盤だったので、オリジナル作としては実に4年ぶりとなるわけだが、ブライアン・マイケル・コックスによる先行シングル“Last Chance”での熱い歌声に胸を撫で下ろしたというファンも多いことだろう。そういった点では、真摯な歌を聴かせるという意味で〈原点回帰〉した前作『Back ll Da Basics』の延長線上にあると言えそうで、スロウ群の充実ぶりはやはり素晴らしい。また、旧友ティンバランド&ミッシー・エリオットと久々の合体(!)を果たした“Get Involved”で気を吐く姿もカッコイイし、バン・Bやブランディらゲストとの絡みも貫禄十分。人間味に溢れる男としての成長がそのまま作風に表れたような、味わい深い傑作だ。
bounce (C)佐藤ともえ
タワーレコード(vol.312(2009年07月25日発行号)掲載)