作り手の顔が見えない日本人トラックメイカーが多い中、現役トップレベルのDJとして圧倒的知名度と人気を誇る一方、数々の楽曲/リミックス提供で国内外から注目を集めるDJ RYOW a.k.a smooth currentが、トラックメイカー“Smooth Current”名義によるデビュー・アルバム。色彩豊かで流麗な、疾走感溢れる独特のサウンドは唯一無二。抜群の音楽センスとスキルで、ファンを魅了する、まさに垂涎の一枚。混迷極めるシーンの今後を占う“クオリティー・ミュージック”の極致。
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タワーレコード
SHIN-SKIらと共に国内のジャジー・ヒップホップ界隈をリードしてきたトラックメイカーが、待望のファースト・アルバムを発表。自身のディレクションのもと、マルチプレイヤーのKenichi Fukushimaが奏でるサックスやフルート、ギターなどの音をサンプリングして再構築するという、格段に自由度の高い制作方法を取っているのが特徴だ。極上のメロウネスを湛えた色彩感豊かなウワモノが活き活きと展開する様子が最高に気持ち良い。それでいて生音を前面に押し出してクロスオーヴァー方面へ触手を伸ばすような欲は出さず、あくまでヒップホップならではのビート&ループの美学に忠実なのが奏功しているし、そこに作者の稀有なバランス感覚が窺える。マスもコアも平等にノックアウトするであろう逸品。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.311(2009年06月25日発行号)掲載)