ショックのあまり賛否両論を巻き起こした問題作がオリジナルの形で完全復刻。
カンヌ国際映画祭出品時、あまりに衝撃的な展開に途中で席を立つ人が続出。
上映を観た人々から口コミが広がり、斬新なスタイルとショッキングなテーマがカンヌ中の話題をさらった。
監督自身によるセルフリメイクのDVD発売と同時に今回完全復刻となった!
現代映画史において語らずにはいられない巨匠ミヒャエル・ハネケ。本作品は彼の金字塔的な作品と称されている。
彼は2001年カンヌ国際映画祭において『ピアニスト』で審査員特別賞を、'04年『隠された記憶』で監督賞を手にした。
ハリウッド映画への挑戦状。カンヌ国際映画祭で上映されたとき、《ショッキングな場面あり》という警告付きでコンペ上映された本作品。一貫して暴力とメディアを描いてきたハネケ監督は、本作品でスクリーンの中の暴力と観客を結び付けようとし、その挑戦は大きな話題となった。彼は「今のハリウッドが暴力が快楽を求める手っ取り早い方法となりつつあり、ユーモアとして処理されている」と真っ向からのアンチテーゼを掲げた。
タワーレコード
過激な作風で作品が発表される度に賛否両論が巻き起こるミヒャエル・ハネケ監督の超問題作『ファニーゲーム』の初BD化。謎の2人組がある一家を不条理かつ狂気的な暴力で絶望の極限へと追い詰めていくといった内容。凄惨なシーンの長回し、メタ演出やジョン・ゾーンによるグラインドコア曲による肉付けが作品を強固なものにしている。逸話も枚挙にいとまがなく退場者続出や有名監督が激怒と、ホラー映画の肩書のよう。実際、精神的に辛いホラー映画ともいえる内容なので鑑賞者を選ぶことは間違いない。ハネケ監督は後にカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを2作連続受賞という快挙を成し遂げている。
intoxicate (C)田口光昭
タワーレコード(vol.157(2022年4月20日発行号)掲載)