2006年にエルヴィス・コステロとともに制作した『ザ・リヴァー・イン・リヴァース』以来、約3年ぶりのアルバム。同じく、2006年に発表されたコンピレーション『アイ・ビリーヴ・ト・マイ・ソウル』、『アワ・ニューオーリンズ』で共に彼と仕事をしてきたプロデューサー、ジョー・ヘンリーが今作のプロデュースを手がけている。アラン・トゥーサンともう1度アルバムを作りたいと考えていたジョー・ヘンリーがアランのために選んだ楽曲はデューク・エリントン、セロニアス・モンク、ジャンゴ・ラインハルト、ジェリー・ロール・モートンなどのスタンダードだった。豪華ミュージシャンを迎えたニューオーリンズR&Bの新スタンダード。
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タワーレコード
エルヴィス・コステロとの共作『The River In Reverse』以来3年ぶりとなるアラン・トゥーサンの新作。プロデュースは前作と同様にジョー・ヘンリーが手掛け、エリントン、モンク、ジャンゴらのスタンダード曲をノスタルジックな哀感漂うニューオーリンズ・ジャズにアレンジしていく。ディープ・サウスの夜、その闇の深さを照らす街の灯や歓楽街のざわめきまでが伝わってくるような素晴らしいインスト作品だ。
bounce (C)鈴木 智彦
タワーレコード(2009年05月号掲載 (P83))
酸いも甘いも知り尽くしたトゥーサンが今作で取り上げたのはニューオーリンズが育んだジャズだ。もうニューオーリンズの“匂い”と言うしかない独特の雰囲気が全編で漂っている。タイトルとなったセロニアス・モンクの《ブライト・ミシシッピー》のラグタイム感やブラッド・メルドーがゲスト参加しているジェリー・ロール・モートン《ウィニン・ボーイ・ブルース》のフレーズ、その“匂い”は隅々まで充満している。これはプロディースしたジョー・ヘンリーの手腕か?それともトゥーサンだからなせる技か?とにかく百聞は一見にしかず。この素晴らしき空気を体感して欲しい。
intoxicate (C)町田裕樹
タワーレコード(vol.79(2009年04月20日発行号)掲載)