21世紀を代表する音楽家、スコット・ヘレン。2009年4月に驚愕の3プロジェクト計4タイトルをリリース。その第1弾はPREFUSE 73名義による強力アルバム。全29曲からなる本作は“エディットの魔術師”と評させる彼の真骨頂と言うべき、流れるようなエディットとサイケなサウンドが秀逸。デジタル録音を一切使わず、アナログ・テープを使って録することにより、かつて実験的なスタジオ・ミュージシャンらが生み出してきたサウンドをアルバムに吹き込んだ。デジタルによる作品が氾濫し、ブログやファイル共有によって気軽に音楽を作り手に入れることができるこの時代、他に抜きん出る事は非常に難しくなっているが、スコット・ヘレンは紛れもないトップ・アーティストである。ヒップホップ界とアヴァンギャルド・ロックの世界の両方において、彼ほど重要な人物を見つけるのは難しい。
タワーレコード(2009/04/08)
今年はスコット・へレンが派手に動くようです! まず、その第1弾として彼のメイン・プロジェクトであるプレフューズ73の新作がリリース。アナログ・テープでの録音や、ヴォコーダーの使用、ザラついた質感のレトロなサウンドに、この名義での最大の持ち味となるエディット技が駆使された、全29曲のスコット流サイケデリア。いまなお前衛的で一音一音にこだわりを感じさせる、刺激に満ちた作品に仕上がっています。
bounce (C)田中 直樹
タワーレコード(2009年04月号掲載 (P73))