渇望感の中、完成したスリーピースバンド、凛として時雨の待望のサード・アルバム。男女ツインヴォーカルによる空間を切り裂くようなハイトーン・ヴォイスが聴き所です。これまで以上に表現の幅を広げた別次元の今作から彼らの進化と深化の軌跡を感じとってください。 (C)RS
JMD(2010/07/29)
渇望感の中、遂に完成した1年9ヶ月ぶりのサード・アルバム。劈くようなギター、うねるようなベース、狂おしいほどのドラム。そして男女ツインヴォーカルによる、空間を切り裂くようなハイトーンヴォイス。3ピースとは思えないほどの音圧と、変幻自在のサウンドと、他の追随を許さないアグレッシヴなライヴパフォーマンスを武器に、日本のロックシーンにおいて確固たる地位を築き上げている「凛として時雨」。前作同様、Vo&Gt担当のTKがトータル・プロデュース。全楽曲の詞・曲、およびエンジニアとしてもほとんどの楽曲のREC & Mixを手掛けている。彼らの真骨頂ともいえる、既存のロックフォーマットを鮮やかに「破壊」しながら突き進む楽曲は勿論、アートにも似た「美」を追求するような楽曲、初のインスト曲など、さらに表現の幅を広げた別次元の作品がここに誕生。
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タワーレコード
〈聴いた! 聴いたぞ!〉って気分になれる、作品全体をじっくりと味わえた充足感を得られるアルバムにはなかなか出会えないけど、この新作には思わずガッツポーズしてしまうほどそれがある。日本的なメロディーと交わる、やりすぎなほど攻撃的&情感に溢れたプログレッシヴ・サウンドはそのままに、今回はアプローチの幅も広がってこれまで以上に聴きやすくなった。意外にも初のインスト・ナンバーやアコギ使用曲といったわかりやすい新機軸も会心の出来だし、これでもかと見せつけられる、カッコ良すぎて笑えるほど予測不可能な展開もさらに磨かれている。息を呑むような緊張感が覆う、驚くほど細やかに構築された音に表れる〈凛とした美学〉の結晶は、3作目にして芸術作品の域に達した気がするのは私だけ?
bounce (C)加藤直子
タワーレコード(vol.310(2009年05月25日発行号)掲載)
曲としては「ハカイヨノユメ」「JPOP Xfile」が好きです。