モッキー、3年ぶり4作目となる新作は近年、すばらしいリリースが続く、ベルギーのクラムド・ディスクスに移籍後最初のリリース。録音はパリにある、Ferber Studios(ニーナ・シモン、セルジュ・ゲンズブールほか多くのジャズメンが愛用し、多くの名作サウンドトラックが録音されたスタジオ)。参加ミュージシャンは、ファイスト、ゴンザレス、ジェイミー・リデル。クラウス・オーガーマン・プロデュース作品などを想起させる、ヴィンテージ盤の風合漂う豊かなサウンド・質感・楽曲の数々は現在、幅を利かせる刹那多売を狙う下品な音楽とは大きく異なるもの長く聴かれ続けるであろう作品に仕上がっています。
タワーレコード(2009/04/08)
モッキー、ついに往年の勢いを取り戻したクラムド・ディスクスに現る!これだけで一部の好事家はそわそわと心落ち着かないわけなんですが、なかなかどうして、ここにオールピープルに向けた抜群のモダン・ポップが完成です。年季の入ったシネ・ジャズを丹念に磨き上げた青銅色の輝きが愛おしく、ぽつりと紡がれるは人生の悲喜こもごも。粋で上品で分かる不良仲間のゴンザレス、ファイストやジェイミー・リデルらもちらりと顔を出し、残り香程度に音を落としていく。ああ、素敵すぎてもう変態なんて冠頭詞はいらないでござる。
intoxicate (C)久保正樹
タワーレコード(vol.79(2009年04月20日発行号)掲載)
これまで卓越したポップセンスを活かして良作をリリースしてきたモッキーが、ベルギーのクラムドに移籍して通算4作目をリリースです。今回はベックやビョークとも仕事をしてきたルノー・ルタンとの共同プロデュース。レコーディングを行ったのは、セルジュ・ゲンスブールやニーナ・シモンらに使われて多くの名作サントラを生み出したフェイバー・スタジオ……ということもあって上品でアダルトな雰囲気が充満しています。特にジャズ的アプローチが強まったためか過去作よりも落ち着いた印象ですが、そこにソウルやAOR、ジプシー音楽など、多様な引き出しを開閉してはブレンドしていく手腕はやはり天才的。盟友のファイストやゴンザレスも参加して、ジャンルを超越した本当に豊かな音楽を作り上げています!
bounce (C)池田 謙司
タワーレコード(2009年04月号掲載 (P72))