ガス・ヴァン・サント監督作、1977年、アメリカで初めて同性愛者だということを公表して公職に選ばれた実在した権利活動家、ハーヴェイ・ミルクの半生を描いた作品。当時ブームになったディスコ・ミュージックから、ダニー・エルフマンのスコア、クラシック曲まで、音楽に造詣の深いガス・ヴァン・サント監督ならではの幅広い音楽が収録されている。
タワーレコード(2009/04/08)
エルフマンが、久々に、根っからの人間ドラマの
スコアに挑んだ意欲作。幸福感を感じさせるサウンド。
『MILK』(2008)
サウンドトラック
音楽 ダニー・エルフマン
監督 ガス・ヴァン・サント
主演 ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、
ジョシュ・ブローリン、ディエゴ・ルナ
ゲイの権利向上に尽力した伝説の政治家、ハーヴェイ・
ミルクの実録をガス・ヴァン・サントが、ミルク役にショーン・
ペンを迎えて撮り上げた問題大作。最近、よりインディペンデント
な手法の作品に傾倒していた監督が、久々にスター俳優たち
による重厚な作品を発表。オリジナル・スコアの比重の高い
作品は『グッド・ウィル・ハンティング』以来で、よって、盟友
エルフマンがガスの映画で腕を奮うのも、11年ぶり。
柔らかなトーマス・ニューマン的雰囲気のサウンドの中に、
都会の騒音的なジャズ的なアクセントやエスニック・ノイズ
的なサウンドもしのばせながら、静かで表情豊かな室内楽
を聴かせる。透明感があり、しめっぽい感覚では決してなく、
抑えたトーンのメロディの中に幸福感を感じさせる。まさに
人間くさいエルフマン・サウンドですが、ちょっとシャイな
感じもいいですね。
(C)馬場敏裕
タワーレコード(2008/12/10)