メタリックかつスラッジーでありながらクラスティでもあり、その中毒性の高いサウンドでアンダーグラウンドにて熱狂的なファンを獲得していたDAMAD。そのDAMADの元メンバーから構成されるエクスペリメンタル・クラスト・ヘヴィ・ロック・バンドがKYLESAだ。DAMAD時代から受け継いだ不穏なヘヴィネスはそのまま引き継がれ、時にスラッジーに聴き手を引き摺り、時に濃厚なサイケデリアを放出。さらに大陸的なヘヴィ・ロックのダイナミズムすら叩きつける。Laura嬢(g/vo)の苦悩の怨念呪術ヴォイスに絡みつくかの如き陰惨なマイナーコード・リフ、ハードコア然とした怒声をダイナミックに吐き捨てるPhillip(g/vo)のヴォーカル、パーカッシヴなドラムとベースによる陰鬱演奏とサンプリング電子音…そんなKYLESAの病んだ世界観が凝縮された名盤『Time Will Fuse Its Worth』は世界中のハードコア・ファン/エクストリーム・ミュージック・ファンのみならず、PINBACKとのツアー敢行でも明らかのように、USインディ・ロック・ファンの間にもその名を浸透させるほどに各方面から絶賛された。そんな、信念を曲げることなく柔軟に活動しファン・ベースを確立した彼らが、いよいよ全世界待望の新作『Static Tensions』をリリース!4枚目のフル・アルバムとなるこの最新作は、Phillip(g/vo)自身がプロデュース。DAMAD時代から普遍の陰鬱な振幅が放つ圧殺ヘヴィネスはそのままに、より広い意味でのロック色と濃厚なサイケデリアの強い作風となっていると言われ、最高傑作とも呼び声高い本作。同じくハードコアを通過したヘヴィ・ロックで、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのMASTODONに一番近い位置にいるバンドと言っても過言ではない彼らの、新たな名盤誕生の瞬間を聴き逃すな!!!
タワーレコード(2009/04/08)
男女ツイン・ヴォーカル&ツイン・ドラム擁するジョージア産のエクスペリメンタル・ヘヴィー・ロック・バンドが4作目を発表。ニューロシスやアイシスに匹敵する重厚な世界観と、アット・ザ・ドライヴ・イン~トレイル・オブ・デッドに通じるバースト感を併せ持ったサウンドが、地下ハードコア/メタル界において現在圧倒的な支持を獲得中。怒涛のサイケデリック・ヘヴィー・グルーヴに酔いしれろ!
bounce (C)粟野 竜二
タワーレコード(2009年04月号掲載 (P78))