ブルーファンク(ブルース+ファンク)というジャンルを生み出したナイジェリア出身、超絶テクのギタリストで男前=キザイア・ジョーンズの、粋なヴァイブが煌めくワーナー移籍第1弾アルバム。プロデュースはコモンらを手掛けたカリエム・リギンスが担当。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
ブルーファンクというジャンルを作り上げたナイジェリア出身の超絶テクニックを持つギタリスト、キザイア・ジョーンズのワーナー移籍第一弾。ジミ・ヘンドリックスが数々の名作を作り上げたエレクトリック・レディ・ランド・スタジオで制作された今作は、よりメロディに力点が置かれ作品で、ギター・プレイとともに、ソウルフルなヴォーカルが素晴らしい。プロデューサーにはコモンやエリカ・バドゥを手がけたカリエム・リギンスが迎えられ、1stシングルの「マイ・カインダ・ガール」や「ロング・ディスタンス・ラヴ」など、極上のキザイア流ファンク&ソウルを聴かせてくれる。これは、"オーガニック"なアルバムであり、アコースティック・ギターやブラス楽器がエレクトリックな楽器よりも優位に立っている。ほぼ英語で歌われたアフリカのフォークソングとも言えるだろう。
タワーレコード(2009/04/08)
〈伝統〉と〈革新〉を両手に握り締めた異能の黒人ストリート・ロッカーによる、実に5年ぶりの新作だ。キザイアは独創性に溢れたギター・プレイヤーとしてジミ・ヘンドリックスの衣鉢を継ぎ、故郷ナイジェリアの先達=フェラ・クティからスピリチュアルなヴァイブを継承した男でもある。けれど今作を聴いて僕が真っ先に思い浮かべたのは、意外にもマーヴィン・ゲイだった! これまで超絶ギタリストとして語られることの多かったキザイアだが、メロディーの美しい曲が多い本盤によってヴォーカリストとしての魅力に改めて気付かされた。そのしなやかに洗練された歌唱は、全盛期のマーヴィンを彷彿とさせる艶気に満ちている。都会の夜に跳梁する黒豹のような、 野性と知性が見事に融合された傑作だ。
bounce (C)北爪 啓之
タワーレコード(2008年11月号掲載 (P69))