1990年代後半に最も成功をした女性ヴォーカリストの1人、ブランディーのアルバム。盟友ロドニー・ジャーキンズとブランディー自身がエグゼクティヴ・プロデューサーとして名を連ね、完熟した大人の情感を歌い上げる逸品R&B。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
ミュージシャンとして、また女優として、数多くの賞を受賞してきたマルチ・プラチナム・セラー・アーティスト、ブランディのEPIC移籍第1弾となる通算5作目のアルバム。これまでも、クインシー・ジョーンズ、ホイットニー・ヒューストン、ベイビーフェイス、チャカ・カーン、ダイアナ・ロス、タミア…グラディス・ナイト、カニエ・ウェスト、ティンバランド、ロドニー・ジャーキンスといった大物たちとコラボレイトし続けてきた実力派で、これまでのトータル・セールスも実に2,500万枚以上。約3年ぶりに発表された今作には、かねてから彼女の重要なプロデューサーとしてバックアップしてきた大物ロドニー・ジャーキンスやブルーノ・マーズらがプロデュースに関わり、ブライアン・シールズやナターシャ・ベディングフィールドらが曲作りに参加。なかでも「Long Distance」とタイトル曲「Human」は彼女の代表曲になり得る名曲っぷり!
タワーレコード(2009/04/08)
弟レイJのレーベルに移籍してエピックから放った4年半ぶりの新作は、交通事故の加害者になってしまうなど苦難を経ての復帰作だ。再起に賭ける意気込みは、いままた昇り調子にあるロドニー・ジャーキンズとふたたび組んだ先行曲“Right Here(Departed)”での情熱的な歌声からも感じ取れ、その説得力はこれまで以上。トランシーな“Piano Man”やポップな“Camouflage”といったロドニーの制作曲は、ミディ・マフィアやトビー・ガッドらの制作曲と並んでリアーナ以降の流行りに意識的になった感もあるが、ブランディの歌は内省的で、ハジけるばかりが能じゃないという15年選手ならではの思慮深さも見せる。“Long Distance”のような壮大なバラードもよく似合う、成長を実感させるアルバムだ。
bounce (C)林 剛
タワーレコード(2009年03月号掲載 (P63))