イタリアを代表するトランペッター、エンリコ・ラヴァのアルバム。本作も、ピアノにステファノ・ボラーニが参加。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
イタリアを代表するトランペッター、エンリコ・ラヴァの2009年作。メンバーは1990年代からラヴァがかわいがってきた才能あふれる若きピアニスト=ステファノ・ボラーニ、2005年『TATI』ではボラーニと一緒にラヴァのトリオ作品に参加し、昔からカーラ・ブレイの作品やジョー・ヘンダーソン・クインテットなどで共演してきたポール・モチアンがドラムに、モチアンとの共演をはじめブラッド・メルドーやパット・メセニーのグループなどでおなじみのベーシスト=ラリー・グラナディエ、さらに大注目なのは、今作がECMデビュー作品となるテナー・サックス奏者マーク・ターナー。ウォーン・マーシュとコルトレーンにルーツを持ち、とても分析された注意深いラインの演奏はラヴァのリリシズム豊かな演奏と対照的でありながら互いにインスパイアされ、5人それぞれの個性が最大限に発揮されている素晴らしい作品。
タワーレコード(2009/04/08)
老舗ECMからの新作は、イタリア・ジャズ界の老練トランペット奏者エンリコ・ラヴァのニューヨーク・クインテットでの新作。同胞ピアニストのステファノ・ボラーニを引き連れ、過去に共演歴もある老練ポール・モチアン(ds)を始めとするアメリカ勢とのNY録音。個性の強いアメリカ勢を揃えてもなお、よりアクの強いことが証明されたこの毒々しいまでのラヴァのプレイが、じつにクール。蛇足ながら、昨年11月に指2本を切断する重傷を負い、現在は演奏活動から身を引き、リバビリにて回復が待たれる、孤高のサックス奏者マーク・ターナーの脇役ぶりが素晴らしい。
intoxicate (C)稲田利之
タワーレコード(vol.78(2009年02月20日発行号)掲載)
LPでは2枚組アルバムです。
ジャズ・マニア以外には薦めないと思います。
演奏メンバー
Enrico Rava trumpet
Mark Turner tenor saxophone
Stefano Bollani piano
Larry Grenadier double‐bass
Paul Motian drums