澤野工房、イギリス TEMPOレーベル復刻第4弾!
タワーレコード(2009/04/08)
ディジー・リースの音は一言で言えば燃え滾る情熱だ。このジャケットからも情熱がヒシヒシと伝わってくる。ブルーノートの諸作に比べこの盤はただ情熱だけで押し通すだけでなく、エモーショナルな一面を見せてくれる。ハイスクール時代につけられたニックネームの"Dizzy"はバップの創始者、あのガレスピーからの由来であると錯覚させられるが、その当時まだリースはガレスピーを知らなかったのである。むしろ彼のアイドルは、カウント・ベイシー・オーケストラのバック・クレイトンであり、そのエモーショナルなサウンドは彼からの影響が色濃く出ていると言える。A1「Now」、A3「The Gypsy」、B1「Riviera」、B4「Momentum」は12月のテイクで、ピアノのヴィクター・フェルドマンを迎え、カルテットで演奏されている。当時のイギリスではピアノの力量が比較的弱かったが、アメリカで活動していたフェルドマンはクリスマス休暇でイギリスに戻ってきており、その折に録音されたもので、彼のよく弾むピアノがこのセッションを引き締まったものにしている。リースのペットもよく鳴り響いており、ワンホーンだけに彼の個性がよく出た好セッションといえる。カナダ出身のベーシスト、ロイド・トンプソンも力強いビートを刻み好ましい。A2「Basie Line」、B2「Chorous」は4月のセッションで、ギターのデイヴ・ゴルドベルグを入れた<TEMPPO>には珍しいものとなっている。1922年生まれの彼は最年長で、楽曲の提供など、その御大ぶりを十分に発揮している。A4「Scrapple From The Apple」B3「Out Of Nowhere」は、重鎮ロニー・スコットとのフロントでリースの音がすさまじい。まさに動と静を表現した好ナンバーに仕上がっており特に、A4はこの盤随一のナンバーだ。リースとスコットの研ぎ澄まされた感性がぶつかり合いその音の空気感が果てしなく気持ちよい。一方、B3はしっとりと歌い上げられる両者のソロは聞き応え十分でその個性を堪能できる。この2曲は、ロニー・スコット名義でEPとしても発売された。興味のある方は探してみては如何であろう。改めてこのレコードを聴きなおすと、そのコンセプトは実によく構成されており、トニー・ホールのセンスの良さが感じとれる。なお、このA面レーベルには、5曲がクレジットされているが、(オリジナル盤のレーベルをそのまま復刻している為)2曲目に表示の「Stomp」が収録されていないことを申し上げておきたい。~足立 豪樹(ライナーより抜粋)
タワーレコード(2009/04/08)