オーガニック・ソウル/ニュー・クラシック・ソウル・ムーヴメントの中軸としてディアンジェロ、マックスウェルらとシーンを牽引してきたグラミー・ウィナーにしてブラック・イノヴェイター、トニー・リッチ・プロジェクト移籍第1弾。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
もともとはBoyz II Men、Johnny Gill、TLC、Toni Braxton、Elton Johnなどにヒット曲を提供するなど、ソングライターとして注目を集め、アーティストとしてもそのオーガニックなサウンドで、D'Angelo、Maxwellなどとともにニュー・クラシック・ソウル・ムーヴメントの中核を担い、デビュー・アルバム『WORDS』で97年グラミー賞ベストR&Bアルバム賞を受賞したトニー・リッチの通算5枚目となるアルバム。もはやレーベルの看板アーティストにもなっていた“La Face”レーベルとの意見の相違により同レーベルを離れ、“Hidden Beach”レーベルに移籍しての第1弾。制作面ですべてのコントロールを手中にした本作は、共作曲1曲を除くすべての曲を作曲するのみならず、アルバムのアートワークやブックレットの写真までを手がけた意欲作。スムースかつメロディアスな彼の魅力が凝縮されたリード・トラック「Part The Waves」をはじめ、最近の彼の内面を反映させたパーソナルな内容に仕上がっています。
タワーレコード(2009/04/08)
ベイビーフェイスや往年のニュー・クラシック・ソウル勢と同列で語られるべき才能を持ちながら、流行やムーヴメントとは距離を置いて独自の路線をひた走るトニー・リッチ。そんな男だけに、アーティスト性の追求に対して懐の深いヒドゥン・ビーチへの移籍は必然か。この新作でも基本的にすべてを一人でこなし、繊細なヴォーカルがロマンティックな詞を伴ってひしひしと沁みる、柔らかい耳触りの佳曲群を作り上げている。
bounce (C)池谷 昌之
タワーレコード(2008年11月号掲載 (P63))