キラキラなポップ感はそのままに、アンビエントに実験的に…。ラスヴェガス産のブリット・ロッカー、『サムズ・タウン』のザ・キラーズがさらなる進化を遂げるサード・アルバム!プロデュースは、エレクトロの達人=スチュアート・プライス。 (C)RS
JMD(2010/08/05)
マルチ・プラチナム・セールスを誇るザ・キラーズの2年ぶり4枚目のアルバム『デイ&エイジ』が完成。プロデューサーには、マドンナ、ミッシー・エリオットなどの仕事で知られるスチュワート・プライスが担当。アルバムは、ニューヨークのHell's Kitchenで制作。「リラックスしながら制作した」と語るメンバー、今回のアルバムでは、ザ・キラーズはこれまでに試みたことのなかった様々な楽器を実験的に用いている。「アイ・キャント・ステイ」ではサックスとスティール・ドラムとでトロピカルなサウンドを醸し出しており、フラワーズ曰く、この曲は「僕らがこれまでに書いた中で、最もパーフェクトなポップ・ソングかも」。一方「ルージング・タッチ」は、明るいホーンと凄みのある歌詞(「迫り来る破滅、恐らくそれは本当だ/僕は感覚を無くしてしまいそう」)とが不気味な雰囲気を添えている、ゴージャスでアップテンポな曲だ。「スペースマン」は、堂々たるアリーナ仕様のグラムロック・ナンバーで、複数のテーマが盛り込まれているその歌詞では、宇宙人による拉致事件も取り上げられている。バンド史上最もポップで最も実験的なニュー・アルバムが完成!
タワーレコード(2009/04/08)
本人たちも反省していたけれど、〈ブルース・スプリングスティーンに触発された〉などと言ったものだから、妙な誤解を受けてしまった前作。ファンにしてみれば〈そっちじゃないだろ!〉みたいな気持ちが渦巻いてたのだが、新作ではきっちりデビュー作への揺り戻しが図られている。プロデュースは“Mr. Brightside”のリミックスで相性抜群だったスチュワート・プライス。シール『System』ではマドンナ『Confessions On A Dancefloor』のリサイクル度が気になったが、今回はダンス系というよりロック系のバンド・サウンド作りに徹している。ネバダの砂漠からヴェガスの歓楽街へと戻ってきた彼ら。ニューウェイヴィーな軽妙さが快感だが、ラスト2曲の壮大なスケール感も圧巻。前作があっての成長が聴き取れる。
bounce (C)村上 ひさし
タワーレコード(2008年12月号掲載 (P76))