現在のテクノ/ミニマル・シーンにおいて最も影響力のあるアーティストの一人である、RICARDO VILLALOBOSのオリジナル・アルバムが老舗“PERLON”から遂に! オリジナル作品はどの作品を取っても代表作と言えるような独創性に満ちているが、特に2006年に“PLAYHOUSE”からリリースされた2曲合計72分に及ぶ超大作「FIZHEUER ZIEHEUER」は、クラブ・フィールドという枠を超え多くのミュージック・リスナーを巻き込みセンセーションを起こしたことは記憶に新しい。今作は全4曲で70分以上、またしても通常のテクノ・アルバムの常識を超える長尺の作品で、冒頭の「Minimoonstar (Full Session)」は、32分という時間を費やし生音とエレクトロニクスが緊張感溢れる駆け引きを繰り返し流動的に変化していくパーカッシブ・ミニマルの傑作! 「Electonic Water」では、しなやかに打ち付けるタイトなビートとゲーム音的なシンセが摩訶不思議な融合を見せ、「Amazordum」においては丁寧なプログラミングによる微細で美しいウワモノが耳を捉えて離さない。その余韻に浸る間もなく、最終曲で幾重にも加工されたヴォイス・サンプルを軸にした奇怪なアブストラクト・ミニマルを展開してフィニッシュ。今や押しも押されぬトップ・アーティストでありながら、全くもって実験性を失っていないその創作姿勢に脱帽!
タワーレコード(2009/04/08)
〈WIRE08〉でもトリを務め、文字どおりのカリスマ的な存在感を全開にしていた掛け値なしの天才が、古巣でもあるクリックの名門ペルロンから新作EPを発表! 前作がシーンに衝撃を与えた〈生首〉こと『Fizheuer Zieheuer』であり、前後には全曲自作ミックスの〈Fabric 36〉やら、自身のレーベルからリリースした(子供コーラスがトラウマ級の)特大アンセム“Enfants”もあったので、期待値はハンパなく高まっていたわけだが……流石は天才、それを10倍返しするぐらいの凄まじい内容になっている! 12インチでリリース済みの“Minimoonstar”(リミックスをあのシャックルトンが担当)の32分に渡るフル・ヴァージョン、鞭打つようなビートが印象的な“Electronic Water”など4曲で70分超え! 神々しすぎる!!
bounce (C)石田 靖博
タワーレコード(2008年10月号掲載 (P75))