ゴリラが猿に進化した!Gorillaz、Blurのデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットが新プロジェクトMonkeyで始動!デビュー・アルバムは日本ではおなじみの“西遊記”をテーマとしたサーカス・オペラ「Journey To The West」を基盤に制作されたもの。アメリカ系中国人オペラ監督のチェン・シゼンと共にデーモンが音楽を、ジェイミーが舞台セット、衣装等のビジュアル・デザインを手がけた。日本で大ヒットした堺正章の主演ドラマ“西遊記”が30 年ほど前に英国でも放送されており、子供だった彼らはこのTV シリーズを夢中で見ていたこともこのプロジェクト参加のきっかけになっているという。「Journey To The West」は2007 年に英マンチェスター・インターナショナル・フェスティヴァルで初演され、イギリスだけでなく、フランス、アメリカでも公演。中国雑技団がアクロバットやワイヤー・アクションなどのパフォーマンスを披露し、中国の伝統と西洋の音楽が融合した新しいオペラとして大絶賛されている。
タワーレコード(2009/04/08)
ゴリラの次はサルだなんて冗談もほどほどにしてよね!ってデーモン・アルバーンに言ってやりたかったが、内容の素晴らしさにグウの音も出ない。彼が始動させた新ユニットの初作は、ミュージカル版〈西遊記〉のサントラだ。中国古来のペンタトニック音階を採用したり、旧共産党本部で録音を行ったり、いろいろ挑戦してはみたようだが、何かがおかしい。そう、西洋人特有の間違ったアジア解釈が満載で、それこそが本作をユニークなものにしているのだ。ドカドカした足音ビートとオジサンのダミ声で道中の苦難を描いたかと思えば、琵琶などの古典楽器を混ぜ込んだエレクトロニカで夢の天竺を表現。誰もが知っている物語を、誰も聴いたことのない音で構築する──デーモン、アンタはやっぱり天才だよ。
bounce (C)山西 絵美
タワーレコード(2008年09月号掲載 (P70))