オニキ・ユウジが東京で過ごしながら仲間達と作り上げたアルバム。基本となるメンバーは前作『TOKYO』と同じだが、ゲストに鈴木祥子と原田知世が迎えられている。ライナーには各曲が書かれた年や場所のデータが紹介されていて、そのデータをヒントにリスナーが曲順を自由にミックスできるようになっています(そうすることで、アルバムに様々な表情が浮かび上がってくる仕掛け!)そんな中、彼の歌声とギターを軸にして、勝井祐ニのヴィオリン、tico moonのハープ、そしてポップ鈴木のドラムは織りなすアンサンブルは絶妙!そこから生まれる不思議な揺らめきに満ちた歌は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのように醒めた熱を孕みながら、サイケデリックでメロウな感触がある。そしてそこに描き込まれたどこか夢のような風景(メロディー)は、故郷を持たないシンガーソングライターが歌を通じてのみ得られるノスタルジーなのかもしれない。
タワーレコード(2009/04/08)
「晴れ渡る空に真っ赤な太陽が沈んでいく夕暮れ。
夕日を浴びていると、心にも温かな光が差し込んできます。
ほんの短い時間だけれど、とても幸せな気持ちになるひとときです。
このアルバムを聴いていたら、そんな気持ちになりました。」
原田知世
「オニキさんのつくりだす世界は本当にうつくしい。手をふれたら壊れてしまいそうでいて、その輪郭はとても鮮やかでつよいのだ。
参加させてもらったAFTER THE PARADE(この歌詞はあたしがモデル!と勝手に決めてます、オニキさん、怒らないで(笑)。)
に描かれている 不安定で、あやうげなパーソナリティをもつ女性についてオニキさんが歌い始めるとき
それは世にもうつくしいストーリーになり、勝井さんのヴァイオリンやPOPさんのドラム、tico moonのハープの音が
まるで布を織り上げるように肌理こまかく、幾重にもかさなってゆく。書かれてゆくエクリチュール、語られてゆく物語。
音楽家にとっていちばんのシアワセは、ココロから素敵だと思える音や音楽家にであえることだとおもう。
オニキさんにであえてよかった、とおもいます。」
鈴木祥子
タワーレコード(2009/04/08)
NY育ちのシンガー・ソングライターが、前作『TOKYO』に続いて勝井祐二やtico moonらと作り上げた新作。ピンク・フロイドやヴェルヴェット・アンダーグラウンドのようにソフトでメロディアスなサイケ・ポップ感を全編に漂わせつつ、REMやリプレイスメンツなど80年代のカレッジ・ロックに通じる良質なサウンドを聴かせる。少し肌寒い秋風に吹かれるような、切なさと寂寥感と透明感のある歌声が魅力だ。
bounce (C)ダイサク・ジョビン
タワーレコード(2008年10月号掲載 (P88))