ファーストにしてベストな内容だった『ROB THE WORLD』から1年半、その間にも初の自叙伝『痛みの作文』や、MSCの漢とのコラボ曲を含むE.P.「My Words」、また数々の客演仕事で魅せてくれた“西の都の核弾頭”“日本屈指のエモーショナルなラッパー”ことANARCHYのセカンド・アルバムは、そのタイトルが示す通り“夢と現実”が交差する“意味ある並び”のコンセプト・アルバムとなってます。各方面で話題沸騰の例の自叙伝で“過去を回想”することによって呼び起こされた記憶(=ドラマ)と“自ら更新しなければならない”未来の記録(=ドリーム)を、1本のストーリーに纏め上げた本作は、彼が“いち表現者”としてネクスト・レヴェルに駆け上がったことを示しています。ゲストは2人のシンガーのみ、プロデューサーも盟友Bugzyの手掛けた最終曲以外を3組の海外の精鋭(B-Money,Sebb,Blast Off Productions)が担当し、徹頭徹尾“タイト”に仕上げられています!
タワーレコード(2009/04/08)
漢(MSC)を客演に招いたシングルとライヴDVDの発表、そして早くも半生を振り返った自伝の刊行と、ファースト・フル・アルバムから1年半の間にも着実に歩を進めてきたラッパー、Anarchy。ここに発表する2作目も、彼の思いにいささかもブレがないことを強くアピールする内容だ。グッと色調を抑えたサンプリング・オリエンテッドかつシンプルなビート群に支えられたラップが、これまたシンプルな録音によってますますエモーショナルに届き、その手応えは前作以上。生活に追われる過去の日々からいまの思い、そして未来に描く夢をひとつに繋ぐ。ロウソクに火を点した思春期から〈自由に見えるけど窮屈な〉いまに至る道を、文字どおり吐き出すようにラップした“Composition Of Pain”の説得力は格別だ。
bounce (C)一ノ木 裕之
タワーレコード(2008年10月号掲載 (P84))