渡部牧人によるソロユニットPADOKのセカンド・アルバム。前作の特色である季節感・酩酊感を更にクローズアップさせ、より完成度を増したアルバムとなっています。
タワーレコード(2009/04/08)
「夢想家のための感傷的なサウンドトラック
~(省略) とりとめない日常の呟きがそのままフォルムを得たような歌声。シンプルでいて合わせ鏡のように無限の奥行きを描きだすサウンド。ムンと立ちのぼるような匂いや熱を帯びた音像は、ポストロック~音響~エレクトロニカ~スロウコア…といったシーンに呼応しながら、そのいずれとも一線を画する唯一無比のものを感じさせる。それは、WUNDERやOWEN、Bonnie Prince Billy、あるいは羅針盤、トクマルシューゴ、tenniscoats…といった同時代のアーティストに共通する個性でもあるが、それ以上にPADOKという人の性質なのだろう。 『Sweet tooth having Bitter dreams』というタイトルには、「ビターな夢をみる甘党」といった意味が込められているという。PADOKの音楽に一貫して感じられる哀愁は、人生のほろ苦さを味わった者の諦念では決してなく、ベッドルームでまだ見ぬ風景に思いをはせる夢想家の感傷にすぎないのだ。いかにもPADOKらしい、素敵なタイトルではないか?」
井口啓子
タワーレコード(2009/04/08)
土屋貴雅(ツチヤニボンド)らとの3人組、Cook Fridayから派生した渡部牧人によるソロ・プロジェクトの2作目。70年代フォークを基調としたシンプルなバンド・サウンドと時間軸が徐々によじれていくような錯覚に陥る詞世界が同居する本作は、はっぴいえんどを彷彿とさせる〈日本の情緒〉と、時代を超えて支持されるであろう普遍性を備えている。特に“呟夏の常”は、2008年版 “夏なんです”と言えるのでは?
bounce (C)土田 真弓
タワーレコード(2008年09月号掲載 (P82))