伝説のスーパー・ロック・グループ、ザ・トラヴェリング・ウィルベリーズの、1990年発表の作品。ロイ・オービソンが心臓病で亡くなってしまうが、残った4人で作り上げたアルバム。 (C)RS
JMD(2010/06/28)
ジェフ・リンがロイ・オービソン急逝後にまとめあげ、シングル「You Got It」が大ヒットを記録したアルバム『Mystery Girl』、トム・ペティにキャリア最大の成功をもたらした『Full Moon Fever』、ジェフ・リンのプロデュースではないが大好評を博しディランが現在に至る円熟期への足がかりを得た『Oh Mercy』とヒット作が続きベテラン・ロックの復権を80年代後半に印象づけた彼らが、90 年代に入って発表したのが本作(アルバム・チャート最高11位)。オービソンの後釜として60年代の名ロッカー、デル・シャノンを迎えたプロジェクトはそのシャノンの突然の自殺により一旦頓挫。 「Vol.2」を欠番とした上で4人で制作された「Vol.3」は、世を去った彼らへの追悼気分を吹き飛ばすかのような陽気なパーティ・アルバムとなっている。作品はどれもアーリーR&R テイストに満ちており、1 作目ではやや控えめだったジェフ・リン独特のきらびやかなサウンドがアルバム全編で聴けるのもポイント。ベテランたちが原点に立ち返り、リラックスして行ったセッションは、歳月を経た現在、より味わいを増して耳に届く。
タワーレコード(2009/04/08)