サクソフォン一本で紡ぎだす、ロマンティックなモダニズム。
ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933)は、生涯も作品も多くが謎に包まれています。父親は書籍商兼ジャーナリストで、ジークフリートはその12番目の子として生まれましたが、家は貧しく、兄弟のうち4人は1歳にならずして世を去りました。ジークフリートが生まれ時に父親は54歳で、その12年後に亡くなりました。
「カプリース」は、曲に応じてソプラノ、アルト、テナー、バリトンという4種類のサックスを使い分け、サックスのあらゆる音域と技法に習熟するために書かれています。「テクニックと表現法の新境地を開くための高度な練習を主な目的として」という作曲家自身の巻頭言があるため、練習用の作品と誤解されて来ましたが、ペータースは多彩で豊かな音楽表現の可能性を見出して録音に取り組みました。
25曲それぞれには、バロック風のプレリュードやクーラントにシャコンヌ、より古い時代のフリギア旋法やミクソリディア旋法、当時の新しい音楽であるラグやクバーナ(キューバ風)、タンゲット(小さなタンゴ)、またコンメディア・デラルテを思わせるアルレッキーノ、タランテラとシチリアーノといったタイトルが付いています。
カプリースと対になったソナタは「無調で」と書かれていますが、「調を壊した」という攻撃的・前衛的な趣はなく、「調性をはみ出してしまった」という感じ。新しい流れであったモダニズムと自分自身のロマンティックなメンタリティとの相克に苦慮した作曲家ならではの真摯で聴きごたえある作品です。 [コメント提供;ユニバーサル ミュージック/IMS]
発売・販売元 提供資料
サクソフォン一本で紡ぎだす、ロマンティックなモダニズム。
ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933)は、生涯も作品も多くが謎に包まれています。父親は書籍商兼ジャーナリストで、ジークフリートはその12番目の子として生まれましたが、家は貧しく、兄弟のうち4人は1歳にならずして世を去りました。ジークフリートが生まれ時に父親は54歳で、その12年後に亡くなりました。
「カプリース」は、曲に応じてソプラノ、アルト、テナー、バリトンという4種類のサックスを使い分け、サックスのあらゆる音域と技法に習熟するために書かれています。「テクニックと表現法の新境地を開くための高度な練習を主な目的として」という作曲家自身の巻頭言があるため、練習用の作品と誤解されて来ましたが、ペータースは多彩で豊かな音楽表現の可能性を見出して録音に取り組みました。
25曲それぞれには、バロック風のプレリュードやクーラントにシャコンヌ、より古い時代のフリギア旋法やミクソリディア旋法、当時の新しい音楽であるラグやクバーナ(キューバ風)、タンゲット(小さなタンゴ)、またコンメディア・デラルテを思わせるアルレッキーノ、タランテラとシチリアーノといったタイトルが付いています。
カプリースと対になったソナタは「無調で」と書かれていますが、「調を壊した」という攻撃的・前衛的な趣はなく、「調性をはみ出してしまった」という感じ。新しい流れであったモダニズムと自分自身のロマンティックなメンタリティとの相克に苦慮した作曲家ならではの真摯で聴きごたえある作品です。 [コメント提供;ユニバーサル ミュージック/IMS]
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