UKポップ・バンド、ブラーが2003年に発表した通算7枚目のアルバム。ギターのグレアム脱退後、初の3人編成による本作はブレイクビーツやテクノ、民族音楽など今まで以上にグルーヴィー。「アウト・オブ・タイム 」「グッド・ソング 」他、14曲をマドンナを手掛けたウィリアム・オービットがプロデュースを担当。 (C)RS
JMD(2013/02/20)
2003年リリース作品で、通算7枚目のアルバム。
タワーレコード
ジャケットは強面だが、しかし、そのエッセンスはしなやか。ここ数年、ゴリラズでの活動、そして、マリ・ミュージシャンとの共演作『Mali Music』で培われたデーモン・アルバーンのリズミックな熱気は、この『Think Tank』も包みこむ。本人も関心を公言しているようだが、80年代初頭前後のポスト・パンク的なリズム構築。そういったものは、とても自然に本作の中心に据えられていて、そして、それはやはり、ギタリスト、グレアム・コクソンの不在と表裏一体を成しているのかもしれないが、それだけのことなら単なる〈スタイル〉変遷のひとつになってしまう。それよりも、この4年間の休止を経たいま、彼らの音楽に向き合うスタンスがひとつ上の段階に足を踏み出したことを匂わせる、とても健やかな作品だと言えるだろう。そして、なにより凛としたデーモンの歌声。英国随一のアート・ポップ・バンドの面目躍如だ。
bounce (C)福田 教雄
タワーレコード(2003年05月号掲載 (P81))