ギタリストERIC BERGを中心に結成、アメリカ南部ジョージア州アセンズで90年代から活動を続けるインディ・ロック/ポスト・ロック・バンド、JAPANCAKES。KINDERCOREやDARLA RECORDSから作品を発表し、長尺のコード反復やオープンなジャム感覚でUSインディの中でも独特の立ち位置を築いてきたグループです。
2007年にリリース、MY BLOODY VALENTINEの名作『LOVELESS』を丸ごとカヴァーした本作は、その異色さと完成度でコアなシューゲイズ・ファンにも強い印象を残しました。91年にリリースされたMY BLOODY VALENTINEのオリジナルと同じ曲順を保ちながら、ヴォーカルとリード・メロディをすべてペダル・スティールとチェロに置き換え、シューゲイズの轟音をカントリー寄りの温度とアンビエントな広がりへと変換しています。
音の手触りとしては、KEVIN SHIELDSのギターが作り上げたノイズの壁ではなく、ペダル・スティールの持続音とチェロのロングトーンが中心。冒頭の"ONLY SHALLOW"では、特徴的なコード進行を滑らかなペダル・スティールのグリッサンドと分厚いベースでなぞり、ドラムとオルガンがオリジナルの推進力を穏やかなうねりに変えます。"TO HERE KNOWS WHEN"では、シューゲイズ特有の揺らぎをチェロのハーモニーとリヴァーブの深いギターで再解釈し、ドリーミーなムードを保ちながらも輪郭のはっきりしたサウンドへと導きます。"WHEN YOU SLEEP"や"SOON"では、メロディを前に出したペダル・スティールとオルガンがアメリカーナの要素を持ち込み、MY BLOODY VALENTINEの楽曲を別ジャンルのスタンダードのように響かせます。
シューゲイズとポスト・ロック、アメリカ南部のインディ感覚が交差する本作は、オリジナルの『LOVELESS』を聴き込んできたリスナーにとっても、新たな聴き方を提案するカヴァー・アルバムです。MY BLOODY VALENTINEの楽曲構造の美しさを、ノイズのヴェールを介さずに確認したいリスナーには格好の一枚であり、JAPANCAKESの穏やかなアンサンブルを入り口にシューゲイズへ触れてみたい人にもおすすめできます。
発売・販売元 提供資料(2025/12/19)
USインディ・シーンで静かな人気を集めるアセンズのドリーミー・ポップ集団が、なんとマイブラ『Loveless』を丸ごと1枚大胆カヴァー。轟音フィードバック・ギターは用いず、ふわふわとしたオルガンやペダルスティールを使ったオルタナ・カントリー調のアレンジがなんともほんわか気持ちいい。『Loveless』の新たな魅力を引き出した異色の傑作。
タワーレコード(2009/04/08)