ロック方面にも多大な影響を与えた98年の『Mezzanine』から4年半あまり。ブリストル最後の大物、マッシヴ・アタックが放った新作の手触りはなんとも重厚だ。2000年にマッシュルームが脱退し、メンバーは3DとダディGの2人となった（が、本作に関してはダディGは不参加とのこと）。そんな経緯がありながらも、前作を含めてほぼ10年以上の長きに渡り彼らが醸成してきたダブとブレイクビーツを巧妙にブレンドしたサウンドや、時に鬱病的なまでに重く沈んだ世界観は本作にも息づいている。さらに今回はアラブのテイストを感じさせるタブラをフィーチャー。全体的にどこかエキゾティックな趣きを漂わせている。先進社会のテクノロジーを象徴するような効果音、そしてそれらとは対照的に強烈な民族性を発するタブラ。2003年の〈いま〉を皮肉なまでに暗示するような、不穏なムードをも内包する作品だ。
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