ダンサブルなポップ・クィーンの本領復活!前作『コモ・アーマ・ウナ・ムヘール』でラテンのパッションに浸りきっていたジェニファーが、本来のR&B/ヒップホップ路線に回帰、ファンクも取り入れて、アーヴァンなカッコ良さを爆裂させる通算6枚目アルバム! (C)RS
JMD(2010/06/14)
J.Lo 待望の英語アルバム完成!キャリア初のスパニッシュ・アルバム『Como Ama Una Mujer』も好評だったスーパー・ディーーヴァ、Jennifer Lopezが前作『Rebirth』から2年半ぶりとなる待望の英語詞によるアルバムをリリース!噂ではSwizz Beatz、Pharrell、Jermain Dupri、新鋭のLynn & Wade LLP、Sean Kingstonで再び株を上げたJonathan JR Rotem、そして1stからの付き合いになるCory Rooneyらによる強力体制の予定!。ジェニファー曰く、「本当にエキサイトしてる。今回の英語アルバムは、みんなが待ち望んでいるようなダンス、ファンク、R&B/HIP HOPをすべて詰め込んでミックスしたポップミュージックよ!」と自信たっぷりで、1stシングル候補にもなった、Tavaresの最大ヒット曲「It Only Takes A Minute」を大胆にサンプリングしたHOTチューン「Hold It, Don't Drop It」や、一聴しただけで既に大ヒット曲!と思わせるリード・トラック「Do It Well」など、本作から多くの大ヒット曲が産まれることは確実でしょう!
タワーレコード(2009/04/08)
ふたりのJ.Loが対峙する、映画ポスターのように印象的なジャケット。今年の彼女は初のスペイン語作品『Como Ama Una Mujer』をリリース、夫マーク・アンソニー主演による映画「El Cantante」も公開された。その一方にあるのが今回の『Brave』で、何やら意味深なジャケットにも映るのだ。実際に、ほぼバラードに特化していたスペイン語作とは違い、前半は疾走するアップ中心。全体のバックにはコリー・ルーニーがどっしりと構え、冒頭のジョナサン・ロッテム制作曲“Stay Together”から彼女のヴォーカルは畳み掛けてくる。ダーティ・スウィフト&ブルース・ウェイン組が手掛けた“Hold It Don't Drop It”は、タヴァレスの“It Only Takes A Minute”(75年)を使ったキャッチーなナンバー。サンプルのメロディーとはちょっと違う旋律を歌うという彼女お得意の手法が光っている。第1シングルはライアン・テダー制作の“Do It Well”で、こちらではエディ・ケンドリックス“Keep On Trackin'”(73年)をサンプルし、緊張感溢れる作りに仕上げた。
それがストリングスに乗って歌い出す“Never Gonna Give Up”から雰囲気が変わっていく。プッシーキャット・ドールズみたいな“Mile In These Shoes”もあるが、中心となるのは落ち着いた曲調だ。そんな意味ではスペイン語作を引き継いでいるし、ジャケットで向き合うふたりのJ.Loは、アルバム前半と後半の彼女を示しているようにも思えてくる。彼女はいま、何より歌そのものを聴いてほしいのかもしれない。今作のリリースに合わせて、彼女が初の全米ツアーに出るという事実も象徴的だ。
bounce (C)高橋 道彦
タワーレコード(2007年11月号掲載 (P68))
明日にでもオメデタ発表があってもおかしくない……そんなジェニファー・ロペスの周辺は、やたら幸せムードが満開なのだろう。P・ディディとクラブで襲撃事件に巻き込まれていた時代や、ベン・アフレックとの逃避行でメディアを煙に撒いていた数年前が嘘のよう。すっかり落ち着いた妻のジェニファーは、いまや幸せの絶頂なのですよ。というのが隅々から伝わってくる、こっちまでおこぼれに預かれそうな気分のアルバムが完成した。前半にグラマラスなアゲ・チューンを配して、先端モードに敏感なところをアピールしつつ、後半でしっかり歌を聴かせていく。その後半が特に聴きどころで、もともとそんなに歌は上手くなかったはずだが、自分のか細い声をどう使えばいいかを驚くほど的確に心得ていて、するりと自然に彼女の世界へと引き込んでくれる。ところどころで、うっとりするほど美しかったり、儚かったり。これはきっと前作のスペイン語アルバムで、しっかり歌と向き合った成果だろう。次々とデビューしては追い上げてくるヤング・ギャルたちに伸されるどころか、あっさり振り切って、次なるレヴェルへと達したジェニファー。本人にとっても勝負作だったはず。ラストの表題曲“Brave”からはそんな挑戦も聴こえてくるし、ひとつの完成型を見事に成している。多角ヒットを狙った寄せ集めのようなポップ・アルバムが多いなか、この安定感や統一感には彼女のアーティストとしての意気地も窺えた。
bounce (C)村上 ひさし
タワーレコード(2007年11月号掲載 (P68))