"2006年邦楽BEST HIP HOP ALBUM"を獲得した『Rhyme&Blues』から1年5ヶ月。オジロザウルスの4thアルバムが完成です!ストリートの視点から放つ反骨精神あふれるリリックと、切れ味鋭いラップ・スキルで他の追随を許しません!様々な要素を盛り込んだ、feat.ナシの全18曲!! (C)RS
JMD(2010/06/14)
HIP HOP/R&B専門誌「BLAST」や「MUSIC MAGAZINE」で2006年邦楽BEST HIP HOP ALBUMを獲得した傑作『Rythme&Blues』に続く約1年4ヶ月ぶりの4thアルバムが登場!ストリートの視点から放つ反骨精神溢れるリリックと、切れ味鋭いラップのスキルで他の追随を許さない、ウエッサイもサウスもイーストサイドもひっくるめた、まさに“オリジナル045スタイル”が炸裂した作品!DJ PMX、DJ CELORY、YAKKOなどを迎えた参加陣にも要注目です!
タワーレコード(2009/04/08)
生々しい。というか、〈生々しい〉という形容の許容量から言葉がドクドクと溢れ出てきてるよ。ゴリゴリとベースが唸る“INTRO”の前口上から、結びとなる“BYE BYE”の最後の一言が吐き出されるまで、MACCHOはマイクを握りっぱなしだ。ラップのアルバムだからそりゃ当然だろうって? しかしながら、ここまで〈ラップを聴いた!〉と思わされるアルバムがあるか?といったら、ない。ここまでロウな感情が、そのままマッシヴなリリックとして、音楽を埋め尽くした音楽があるかといったら、ない。それほどのものだ。それほどの重みをもってダイレクトに心にぶつかってくる作品だからして、ぶつかってきた時に心が共鳴する人もショックを受ける人も壊れる人もいるかもしれない。これだけは聴いてもらわなきゃわからないし、聴いてほしいと激しく思う。
レヴューになっていないので、内容を紹介しないと。昨年の傑作『Rhyme & Blues』、同作を引っ提げてのツアー・ファイナルの模様を収めたライヴDVD「Rhyme & Blues Tour Final~Live at YOKOHAMA BLITZ」に続く、OZROSAURUSの4枚目のアルバム。いつも以上のハイペースぶりからはMACCHOの創作意欲の高まりも伝わってくるが、一方で自身のレーベルからのリリースとなったことも作品のタフな色合いを形成する原動力となったようだ。まず、盟友KNOCKの手によるダイナミックなシンセがビリビリ響くエレクトロ・ベース“0%”、ニルヴァーナのアレを思わせるどころじゃないズルムケのヘッド・バンガー“星を願う”……と荒々しくもピュアネスを感じさせる無性に格好良い楽曲が序盤から濃密にひしめき合う。そして、DJ CELORYと久々に組んだ軽快な“1 for DA 何?”に続くのが、SUBZEROがステファニー・ミルズ“Power Of Love”をネタ使いして感動的なトラックに仕立てたハイライト“十字架の上(Power Of Love)”だ。ここでMACCHOは不安や死や狂気やハイを神や英雄に準えながら内面の苦悩をブルースとして描き出していて、涙が出るほど悲壮で勇壮でヒロイックで格好良い。文字数の都合で以降はアレだが、彼の溢れ出る感情をどうにか楽曲というサイズに刻み込んだようなブルースの数々は最後まで緊張感を纏ったままだ。18曲、72分、ゲストMCもポップな仕掛けも皆無。本人も曲中で似たことを話しているが、魂を削って作っている音楽というのはこういうもののことを言うのだろう。震えた。
bounce (C)出嶌 孝次
タワーレコード(2007年09月号掲載 (P62))