イギリスでより大きな成功を収めるUS兄弟ロック・バンドのサード・アルバム。ペンテコステ派の宗教コミュニティで育ったゆえか、不思議な牧歌性、神秘すら感じさせるサウンドが重厚さを増し、なおかつロックの衝動が激しく胎動するエモーショナルな作品。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
アメリカ出身でありながらイギリスでより大きな成功を収めているキングス・オブ・レオン。2006年はU2、パール・ジャムの両全米ツアーにてオープニング・アクトに抜擢されるなど、その実力はお墨付き。そして、約2年ぶりとなるこの3rdアルバムでは、サウンドが重厚さを増して早くも一種の“風格”さえ漂わせています。ロックの衝動が激しく具現化されたエモーショナルな作品に仕上がっています!!
タワーレコード(2009/04/08)
どんなタイミングであれ、男にとって一皮剥けるというのは(いい意味で)一大事なわけだが、キングス・オブ・レオンにとっての正しい脱皮は3枚目となるこの新作で完了したことは間違いない。アメリカで硬派な男児の出生率がもっとも高いといわれる(俺調べ)テネシー州出身の3兄弟+従兄弟の4人組。〈ガレージを通過したサザン・ロック〉とも称されたデビュー時に蓄えられていた南部ヒゲを完全に剃り落として臨んだ本作では、初期の豪放まっしぐらな衝動的直情サウンドから深化した、豪放まじりの緩急自在的陰影サウンドが全面展開されている。畑は大違いだが、なぜかジョイ・ディヴィジョンを思わせる瞬間すらある。そして、ケイレヴ・フォロウィルの唯一無二なしゃがれヴォーカルに蓄積された哀切と痛切の分量はあきらかに増加し、聴く者の心を激しく揺さぶる。硬派な男のズルムケとは、こういうことだ。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(2007年05月号掲載 (P75))