数々の伝説的ヒップホップ・グループを輩出した”デフィニティヴ・ジャックス”から登場し、サンプリングを主体とした斬新かつセンスの良いトラック・メイキングで、時には”ポストDJ SHADOW”という呼称でも知られ、着実にその地位を確立しつつある鬼才RJD2が”XL レコーディングス”に移籍しての新作!今作でこの過去6年間に自ら築き上げた固定概念と肩書きをあっさりと捨て去り、”謎のシンガーソングライター”という、新たな肩書きが加わることになりました。いつも曲作りに使っているサンプラーとシークエンサー以外に、初めて生楽器を使い、そしてRJD2のヴォーカルが加わって彼のの音楽世界の新たな側面を見ることができる作品です。ゴテゴテのインスト「Get It」、ファンキーなオールドスクール調の「Beyond The Beyond」、柔らかいアコースティック曲「Someday」などなど、これまでになかったポップ感が凝集された素晴らしき一枚!
タワーレコード(2009/04/08)
aving departed from the Def Jux label, the DJ/producer/turntablist behind the indie rap outfit Mhz and former golden boy of El-P's label, has also made a marked departure from his previous work on this 2007 release. The Columbus, Ohio, native's third solo album sees him personally handling all the instrumentation (vocals, too) in a 15-track moody pop effort that takes more cues from Blur and Beck than from Cut Chemist or DJ Shadow.|
Rovi
デフィニティヴ・ジャックスからのリリースに始まり、チョコレート・インダストリーズの名コンピ『Urban Renewal Program』への参加、そしていくつものプロデュース/リミックス作品を通じて、アングラ・ヒップホップやブレイクビーツ・ファンを唸らせてきたRJD2。XLに移籍して心機一転を図った今作では、サンプラーとシーケンサー使いはそのままに、生楽器と自身のヴォーカルを中心に据えたシンガー・ソングライター・スタイルで勝負! さまざまな楽器の音色と豊富なアイデアをビート上に散りばめ、繊細で味のある歌を気持ち良く響かせている。ヴィンテージ感を湛えた柔らかい音像に心を温められ、優しいメロディーラインに精神を解きほぐされ、聴くほどに彼の新世界に引き込まれることは必至。かつて〈ポストDJシャドウ〉と目されていた彼だが、そんな比較が何の意味もなかったことを証明するかのような快作だ。
bounce (C)青木 正之
タワーレコード(2007年04月号掲載 (P71))