この夏、MTVでオンエアされたHIKKIの〈ありのまま〉アンプラグド・ライヴ。部屋っぽいステージを囲むように並べられたソファーでくつろぐラッキーな120人に、彼女からまずひとこと、「スナック・ヒカルへようこそ」。ふたこと目は「18歳の女の子とは思えないくらい渋くいくから、ついて来いヨ!」。そんな〈素の私はジジくさい?〉発言に最初少し気後れするけど、場が進むにつれてナルホドと納得させられてしまう。つまり、普段着のままに各曲が彼女のシンガー・ソングライターとしての早熟ぶりをあらためて実感させてくれるから。やっぱりメロディーに酔わされてたんですよ。リズム&アレンジ武装した凡百のR&Bなんて到底かなわないメロディーと詞の発露。そこで映えるレパートリーが“Parody”“蹴っ飛ばせ!”と渋めになっても、それは自然の成り行き。というか狙いだったりして。で、こんなふうに人となりや歌の正体が露わになるのもMTVアンプラグドの醍醐味であると。
bounce (C)萌木　里