美しさ溢れるアックスのピアノを引き立てるマータの好サポート！知られざる隠れ名盤の復活です！
世界初CD化。
エマニュエル・アックス（1949年生）若き日のモーツァルト2作品。
生命力溢れる瑞々しい音色で清楚なリリシズムを生かした実に快活なモーツァルトを表現しています。アックス自身、未来へ向けたかのような希望に満ち溢れた前向きな演奏がとても魅力的です。
そしてもう一つのポイントがマータ＆ダラス交響楽団による伴奏。スケール感豊かで懐の深さを備えたマータの指揮、甘酸っぱい美しさを見事に表現した木管セクションとしなやかな弦セクションが織り成す絶妙なバランスによるアンサンブル。そのレヴェルの高さは尋常ではありません。
一度聴いたら記憶に残ること間違いなしの名演奏です。


アックスとマータによる瑞々しいモーツァルト
　ピアノのエマニュエル・アックスは1949年6月8日、ポーランドのリボフ生まれ。74年第1回アルトゥール・ルービンシュタイン国際コンクールで優勝し、一躍脚光を浴びる。RCAにはベートーヴェン、ショパンなどのコンチェルトをはじめ多くのレコーディングがある。
　指揮者エドゥアルド・マータは1942年9月5日、メキシコシティの生まれ。77年からダラス交響楽団の音楽監督を務める。このコンビで「展覧会の絵」、「春の祭典」、ラヴェルの管弦楽曲など色彩的な管弦楽曲を中心に多くのレコーディングを行っている。
　本CDに収録のモーツァルトの二つのピアノ協奏曲は1979年の録音。アックスはこの他にズーカーマン指揮のセント・ポール室内管弦楽団とK.453とK.456を録音している。　K.466にはまぎれもなくデモーニッシュなパトスが横溢しているが、二人はこれをことさら強調することなく、楽曲を構成する純音楽的な要素をきっちりと提示する。またK.482では、クラリネット導入によってもたらされたユニークな楽曲フォルムを明確に透視する。
　マータの造る明快なリズムとにごりのないハーモニーの上に、アックスの確かな技術に裏打ちされたピアニズムが息づく。そこには優美で清々しい叙情感が満ち溢れる。これは実にフレッシュで魅力的なモーツァルトである。（岡村 晃）

タワーレコード （2009/04/08）