ライア&ソネット

クラシック・ギタリスト、村治佳織と、イギリスのコーラス・グループ、ザ・シックスティーンとのコラボレーション・アルバム。2006年録音盤。 (C)RS

村治佳織のデッカ移籍第3弾アルバムは、今イギリスで大活躍しているコーラス・グループ、「ザ・シックスティーン（The Sixteen）」とのコラボレーション・アルバムです。「パッヘルベルのカノン」や「ダッタン人の踊り」など耳に馴染んだ名曲から貴重な古典作品まで幅広いレパートリーが、重厚な和声をバックにした村治の華麗なギターの音色で奏でられ、今までに無かった新たな世界を築いています。ザ・シックスティーンによるコーラス部分も、単なるハーモニーではなく、オスカー・ワイルドやダウランドのテキストを用いて格調高い内容に仕上がっています。

◆今回のThe Sixteenと共演することになったいきさつ[村治佳織]
デッカに移籍して３枚目となる今回のアルバムの方向性を考えていたとき、１作目、２作目とも自分のソロだったので、今回はどなたかとコラボレーションしたいと思いました。
デッカといえば【オペラ・ヴォーカル・カンパニー】としてすばらしい伝統があります。そこで最初は歌手の方と共演しようかと考えました。いろいろ考えてみましたが、対等な関係を築けるレパートリーがなかなか見つかりませんでした。でも声ということで考えるとハーモニーと一緒に出来たらおもしろいものが出来るかもしれないと思い、デッカのプロデューサーに相談したところ、今イギリスでとても人気のある合唱団があるということで、The SixteenのCDを送ってくださいました。１６世紀のレパートリーなのに、すごくモダンで新鮮に聴こえ、ぜひこの方たちと一緒に録音したいと申し出ました。その後はどんどん話がすすみ、合唱ものをたくさんアレンジしているボブ・チルコットさんがギターと合唱のためにアレンジをしてくれました。そして、今までにどこにも存在しなかった新鮮な世界が出来上がりました。
　神が人間に与えてくれた最高の楽器 “声”と私のギターが創り出すまったく新しい音楽空間をぜひ体験していただければ嬉しいです。

◆ライア＆ソネットとは．．．．．．
　古いイギリスのことばで『リュートと歌(声)』という意味。オスカーワイルドのテキストにもこのことばが使われています。まさに、今回のアルバムの内容を物語っている“ことば”といえます。
◆ザ・シックスティーン　The Sixteen
創設者でもあり指揮者のハリー・クリストファーによって設立された男女混声の16名編成の合唱団。当初は１６世紀のレパートリーをメインに活動してきましたが、レパートリーの拡充に伴い現在は１８人編成となっている。イギリス国内だけでなく、今や世界中で人気を博している。最新アルバム“ｉｋｏｎ”はユニバーサルU．Kから発売されたばかり。[コメント提供；ユニバーサル(株)]