〈9.11〉の世界貿易センタービルを舞台にしたオリバー・ストーンの新作は、己の命を顧みずに人命救助に徹した警察官の物語。サントラはビョークのアレンジを手掛けるほか、「ムーラン・ルージュ」で〈ゴールデン・グローブ賞〉を獲得したクレイグ・アームストロングが担当。彼特有の重厚で深遠な音作りが、人々の悲痛な叫びをリアルに描いている。
bounce (C)広瀬 毅
タワーレコード(2006年10月号掲載 (P114))
あの事件をオリバー・ストーンが映画化。
音楽は、クレイグ・アームストロング。
『ワールド・トレード・センター』(2006)
サウンドトラック
音楽 クレイグ・アームストロング
監督 オリバー・ストーン
主演 ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ
911事件の当事者たちと、その家族を描く物語。
音楽は、静かに深い音楽を作れる現代派の旗手、
クレイグ・アームストロング。アームストロングの映画音楽
史上でも、最も静かに美しさを奏でるサントラになった
のではないか、と思います。ストリングス、ピアノを主体
に哀しくも、美しいメロディ。静かに亡くなった人たちや、
悲劇の当事者となった人たちへの哀悼、感謝への
念に満ちている。ドライに描写したパウエルの『ユナイテッド
93』とはアプローチが異なりますが、いかにもアームストロング
らしい深さをもった作品になっている。
(C)馬場敏裕
タワーレコード(2006/09/27)