自らが置かれている環境や壮絶なる経験、ストリートでの生活やハスリングについてを明け透けなまでにストレートに表現した、I-DeA、SEEDAも名を連ねるスカーズのファースト・アルバム。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
2006年ジャパニーズ・ヒップホップ最大の問題作!
I-DeA、SEEDAも名を連ねる噂の“スカーズ”1stアルバムついに世に現る!本当にこれは日本での話か?心配になる程、自信らのストリート(イリーガル)・ライフを綴った危ういリリック、だが、決して悪ぶっているわけではない、どこか天然で憎めない言葉のセンスとビジュアル。日本語ラップ史上ここまで、明け透けなまでに、ストリート・ライフをストレートに/巧みに描写したアーティストが存在しただろうか?サウンド面も日本屈指のビートメイカーI-DeAを中心にB.L a.k.a BACH LOGICまでもがトラックを提供し、そのクオリティーに、全く口を挟む余地が無い!日本にもアメリカのラッパー達が語るストリートと同様のストリートが存在するのだ!
タワーレコード(2009/04/08)
“A”THUGを中心にI-DeA、SEEDAらが名を連ねるクルー=SCARS。すでに関連ミックスCDなどで日本語ラップ・ファンの間でも話題の彼らによるファースト・アルバムは、オーソドックスでソウルフルなサンプリングを主体とするトラックの下、ラップはUS式の〈ストリート〉にメンタリティーを置く。その美意識がある種のスノビズムやナルシスティックな方向へと向かうことなく紙一重ですり抜けるのは、英語から引き出されるフロウに傾かぬラップによるもの。BESらの確かなスキルもさることながら、“A”THUGらが絵に描いた〈ストリート〉からこぼれる、時に滑稽でサマにならない、なりきらない、いびつなラップの天然ぶりこそ彼らの強みだ。そうした幅がクォリティーの高いトラックと共にシェイプアップされている感こそあるものの、いまも未成熟なラップに象徴される、彼らの型破りな展開を今後も期待させるアルバムだ。
bounce (C)一ノ木 裕之
タワーレコード(2006年09月号掲載 (P80))