ジャンルの壁を越境し、今最もクリエイティヴなミュージシャンとして注目を集めるティグラン・ハマシアンのデビュー作!ルーツであるアルメニアの音楽と、即興。アコースティック・ピアノの可能性と、サンプリングを駆使しつくしてのエレクトロ・サウンド。溢れ出てやまないアイディアを、自在に形にして送りだすティグランの創造の地平は、本質的に限りが見えず、留まることがないように見えます。そして、次なる一作はECM。市場において、屈指の期待作であることは間違いないでしょう。2004年12月録音で2006年に発売。ほどなくして、セロニアス・モンク・コンペティションで優勝し、20歳を前にした神童と騒がれたわけですが、原点とも言うべきアルバムが本作。ドラムには、ティグラン自身が、"自分にとって、新しい音楽的な扉を開いてくれた存在"と、語ったアリ・ホーニグ(ティグランは、アリのグループでも活動し、作品にも参加)。サックスには、その後の活動も共にするベン・ウェンデル。そしてアルメニアの民族楽器であるduduk, zurna もフィーチャー。アルメニア独特のノスタルジーさも混じるフレーズと、変拍子が自在に交わるサウンドは、この時期、まだジャズという範疇の中から発しながらも、メタル的な要素もミクスチャー。誰のものでもない、ティグランの音楽となっており、随所に、今に至るルーツが見られます。ちなみに、ティグラン曰く、2作目となる『New Era』は、レコード会社の意向に沿った部分があるのだけど・・と語り、アリとの共演盤となった本作のほうに思いがある旨を垣間見せたものでもありました。
発売・販売元 提供資料(2015/08/19)