ジャン=リュック・ゴダール×ザ・ローリング・ストーンズ!!
名曲誕生の瞬間を捉えた伝説の作品が本編2バージョン&貴重な映像特典を収録した完全版仕様で再登場!
1968年、ゴダールがロンドンにて撮りあげた異色作。全く別の企画のためロンドンを訪れていたゴダールだったが、その企画が中止となり、ビートルズかストーンズの映画を撮ることを条件にイギリス滞在を承諾。結果としてロック史上に残る名曲として名高いローリング・ストーンズの『悪魔を憐れむ歌』誕生の瞬間を映像にとらえることとなった。その映像は故ブライアン・ジョーンズがバンドに在籍していたときのもので、曲が完成するまでの過程を詳細に記録した内容とともに、ストーンズ史上でも非常に貴重なものとなった。そのレコーディング風景とともにブラック・パワーを揚げるアジテイターたち、ヒトラーの「わが闘争」を声高に叫ぶモッズなどのフッテージが挿入され、政治活動に傾倒していった時期のゴダールの実験精神を垣間見ることができる。当初ゴダールの編集によってつくられた本作のタイトルは「ワン・プラス・ワン」。しかし、プロデューサーであるイアン・クオリアーは、商業的価値を高めるために無断で再編集を施し、タイトルも「悪魔を憐れむ歌」に変更した。1968年ロンドン映画祭にてプレミア上映された時にこの事態に気づいたゴダールは激怒。その場でプロデューサーに殴りかかり、観客に会場を去るように促したといういわくつきの作品。
DVD再リリースとなる本作は、オリジナル・ネガからのデジタル・リマスタリングを実施。画質・音質ともにスペックアップし、なんとゴダール版「ワン・プラス・ワン」とプロデューサー編集版「悪魔を憐れむ歌」の2バージョンをまるごと収録、当時の撮影風景を伝える貴重な映像特典を加えての完全版としてのリリース!さらに貴重な撮影風景とゴダールインタビューを収録したドキュメンタリー「Voices」収録!ジャケットは「ワン・~」と「悪魔を~」の両作品のアートワークを使用したリバーシブルジャケット仕様となっている。
タワーレコード(2009/04/08)
ゴダール初の英語による映画は、ローリング・ストーンズと夢の共演を果たした68年の異色作「ワン・プラス・ワン」。即興的に歌を作り上げていくミック・ジャガーを中心とする、故ブライアン・ジョーンズ在籍時のストーンズ録音風景を捉えたこの作品は、音楽映画の傑作として歴史に残るだけでは終わらず、これまで世に出ていなかったオリジナルのゴダール版とプロデューサー編集版「悪魔を憐れむ歌」が存在することで数々の問題を引き起こした。今回のDVD化ではその対立し合う2つのヴァージョンを一枚に収録。貴重な映像特典も収録!
bounce (C)広瀬 毅
タワーレコード(2006年07月号掲載 (P116))
最高!