97年のデビュー以来、ロックやダンスミュージック、エレクトロニカなどジャンルレスで独創性の高い作品を発表し続け、音楽シーンに確固たる地位を築いたにもかかわらず2005年に惜しくも解散したスーパーカー。そのスーパーカーのヴォーカル&ベースの“フルカワミキ”がシングル「Coffee&singing girl!!!」に続き、ファースト・アルバムをリリース!
作詞・作曲は本人が全て手掛けています。歌の表現力は格段にアップし、増子樹による圧倒的なハイクオリティーサウンドで迫る、キャッチーかつポップな作品です!音楽のみならず、アートやファッションの分野でも活躍している彼女なだけに、各方面で大きな反響を呼ぶこと間違いないでしょう!
タワーレコード(2009/04/08)
先行シングル“Coffee & Singing Girl!!!”は、SUPERCARファンにとってみれば“YUMEGIWA LAST BOY”を、また宇宙船のなかで断片的なメロディーが反復するような本作収録曲“IァU”は“BGM”を想起してもおかしくはないだろう。しかし自身がほとんどの詞曲を手掛け、益子樹や七尾旅人らが参加したこの初ソロ・アルバムの、重たくもファンタスティックな聴後感はどうだ。あきらかに鍛練の跡を感じさせる多彩なヴォーカル、練り上げられた楽曲構成力、アルバム全体を覆うスピリチュアルな物語性は、SUPERCARファンを驚かせるに十分。トランシーな世界観を生む勝井祐二のヴァイオリン、アフロビートを咀嚼した芳垣安洋の高度なドラミング、そして2曲を作曲し、全編で存在感を放つ中村弘二(iLL)のギターなど、確かなプレイも本作を立体的にしている。勘の鋭い女の子の想像力が作り上げた、自由なロック・アルバムだ。
bounce (C)内田 暁男
タワーレコード(2006年08月号掲載 (P81))