ジャズ・ヒップホップというジャンルを生み出した、90年代を代表するヒップホップ・ユニット、Us3の通算5枚目のアルバム。生バンドによるライヴ・ジャズ・サウンドがヒップホップ・ビートと幸福な融合を遂げたオーガニック・ヒップホップ。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
アシッド・ジャズ史上最高のセールスを獲得したアス・スリー。彼らはジャズの名門レーベル「ブルー・ノート」に在籍した本家ジャズ畑のグループである。一般ではアシッド・ジャズにカテゴライズされるが、彼らのサウンドはジャズとヒップホップを融合させた“ニュー・ジャズ・ヒップホップ”が正式なポジション。彼らは93年に『Hand On The Torch』でデビュー。ジャズ・クラシックスをズバ抜けたレベルで解体し、そこにヒップホップ要素を流し込み再構築。今までのアシッド・ジャズでは成しえなかった、よりダンサンブルな次世代サウンドの創作に見事成功している。そしてその代表曲が、伝説となっている「カンタループ」だ。この曲はレーベルメイト、ハービー・ハンコックの名曲「カンタループ・アイランド」をサンプリングした究極の逸品。アシッド・ジャズ界だけでなく、なんと「ブルー・ノート」史上でも最高のセールスを記録した作品である。そしてその衝撃から13年。前作から3年の歳月を経て、生バンドによる“ライヴ・ジャズ・サウンド”がまたしてもヒップホップ・ビートと融合し、新たなオーガニック・ヒップホップを完成!
タワーレコード(2009/04/08)
約3年ぶりとなる新作を発表したUS3。独自の解釈によるジャズとヒップホップのしなやかな融合が身上の彼らだが、新たなMCを2人迎えた今作ではさらに進化~アップデイトされたサウンドを披露している。とはいえ“Afro Blue”使いなど良い意味でのキャッチーさは変わらず、掛け値なしで楽しめる会心作だ。しかしあの“Cantaloop”から13年とは……今作のエナジーは当時を知らない世代にも届くはずだ。
bounce (C)佐藤 ともえ
タワーレコード(2006年06月号掲載 (P81))