| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 2006年04月26日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | ジャイアント |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | WPCR-75175 |
| SKU | 4943674062676 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:51:29

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確実にリベンジできたはずの『ガウチョ』はジョン・レノンの遺作に阻まれた。アルバムとしての輝きは”異彩”でしかなかったのか…。そんなグラミー側の罪滅ぼしなのか(?)、同情票を集めたのか(?)、20年の時を経て2000年リリースの本作で念願の蓄音機を手にすることとなった。ただ、完璧だった前2作の落選の歴史があるので、口は悪いが、彼らの長年の功績に対する”功労賞”的な受賞と思えなくもない。
さて、そんな本作だが、個人的には、時を経ても変わらぬ輝きを放ち続ける過去の金字塔が眩し過ぎたこともあって、傑作アルバムの焼き直しに失敗したような、二番煎じ → 薄味といった印象が拭えず、前2作とは”別モノ”として捉えることができなかった。過度な期待を抱き過ぎたせいだと思う。
最近、久しぶりに頭をクリアにして向き合ってみると、リリースから相当の時間が経ったこともあって、意外とすぅーっと身体に入ってきた。熟成によって円やかになった醸造酒のように、口当たりが良かったし、深みも感じた。単に、自分が加齢によって寛容になったのかもしれないが…。
オープニングの「ガスライティング・アビー」は好意的だ。緩めのピンポン・ラリーのような軽妙で心地よい反復は、中毒性のある香辛料のように灰色の脳細胞を刺激する。以降、彼らの十八番ともいえる単調で起伏に乏しいメロディと難易度の高い複雑でクールなコード進行の融合が思考回路を麻痺させる。だが、混乱させることはない。苦い薬を噛み潰した時のような独特の渋味は、慣れてしまえばマイルドにも感じられる。東海岸の気どりや達は、スマートに音符を操りながら、美味しい料理の中にそっと毒を忍ばせているからだ。その巧みな技術、技法は健在だ。