"ヴォイス・オブ・スティーリー・ダン"ドナルド・フェイゲンの、1993年発表のアルバム『KAMAKIRIAD』以来となるサード・アルバム。磨かれたメロディ・ラインと、クオリティの高いサウンド、卓越した演奏技術が魅力的な1枚。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
13年ぶり!“ヴォイス・オブ・スティーリー・ダン”=ドナルド・フェイゲンによる極上のソロ・アルバム第3弾!
80年代音楽シーンにおける最重要作『Nightfly』が“若者”の視点、そして11年ぶりの第2弾ソロ『KAMAKIRIAD』が“中年”の視点から作られた作品であるのに対し、24年越しのソロ3部作・完結編となる本作のテーマはズバリ“終焉”“死”。58歳の彼が母の死や「9.11」事件をきっかけに、命の“限り”というものを認識し、敢えて盟友ウォルター・ベッカーを不参可とし、自分のやりたい音楽を理解しくれる“最高”のミュージシャンを厳選してのレコーディングだったとか。完璧主義を超越した音の完成度に対する執念、そして特異な潔癖体質が、彼の作品発表のインターバルを長くさせているのはご存知の通り。どんなに時間が経っても新作を待ち続ける、そんなファンを沢山もつスティーリー・ダンは本当に稀有な存在といっていいでしょう。全音楽ファン感涙の、一聴すれば“ドナルド・フェイゲン”と即座にわかる最高の作品がここに完成!!
タワーレコード(2009/04/08)
超高性能都会派大人音楽製造ユニット=スティーリー・ダンの片翼、ドナルド・フェイゲンによるなんと13年ぶりのソロ3作目! 音に対する尋常ならざる偏執狂的こだわりが作品のインターヴァルを異様に長くしているのは確かだが、その〈待ちぼうけ年数〉を優に超えるほど長く(というかほぼ一生)鑑賞に耐えうる作品を上梓してくれたんだから文句も言えない! 音楽性は2000年に20年ぶりの復活を遂げたスティーリー・ダンの延長上にあるが、独り身ゆえの〈計算された気の抜き方〉みたいなものがあり、より軽やかで洒脱。それが実に心地良い。といいつつも流石は完璧主義のアダルト・ポップ職人、緻密なプロダクションとハイレヴェルな演奏技術で構築された楽曲は、豊潤なメロディーラインとしなやかなグルーヴ感を得て、四畳半をモダン・リヴィングに、駅前の雑居ビルを摩天楼へと変身させる魔法を放つ。大人ってカッコイイよな。
bounce (C)北爪 啓之
タワーレコード(2006年03月号掲載 (P83))
ただ、これぞ!な一曲が無いのが、玉に傷です。