プロデューサーとしても活躍する、ヒップ・ホッッパー、カニエ・ウェストの2005年グラミー賞3部門受賞のセカンド・アルバム。『007』の主題歌をサンプリングした「ダイアモンドは永遠に」、R&B感覚の「ゴールド・ディガーfeat.ジェイミー・フォックス」他、全22曲を収録。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
西欧帝国主義の象徴ともいえる〈007〉のアレをキャッチーにサンプリングしながら、アフリカはシエラレオネの状況をラップした先行シングル“Diamonds From Sierra Leone”は単なる皮肉じゃなく、ストレートな意志表明だったのだ。そんなフッド寄りの姿勢はゲームをフィーチャーした“Crack Music”にも受け継がれている。かと思えばマルーン5のアダム君を起用した“Heard 'Em Say”が煌めき、かと思えばジェイミー・フォックスにふたたびレイ様を憑依させた“Gold Digger”がドス黒く響き、かと思えばジョン・ブライオンが制作に携わった曲もあり、かと思えばヒューストンの俊英ポール・ウォールと合体してスクリューし、かと思えば……(以下略)。もちろんミリ・ベン・アリやコモンらも動員。ナードな〈Pop Bullshit〉とは真逆の、クレヴァーな瞬発力とエグいオモロさに満ちた大傑作。クマには爪と牙があることを忘れちゃいけない。
bounce (C)出嶌 孝次
タワーレコード(2005年09月号掲載 (P65))