グラスゴー出身の4ピース・バンド、フランツ・フェルディナンドのヒットを記録したデビュー作『フランツ・フェルナンド』に続くセカンド・アルバムが、2ヶ月限定特別価格盤として登場。ガレージ感覚のロックン・ロールをダンサブルに演奏する彼らの成長を記した1枚。プロデュースはリッチ・コスティ。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
やっぱりタダ者じゃなかった。本国でのデビューから1年半という短い間隔が彼らの創造欲と熱意を示しているとおり、 敏腕リッチ・コスティとの共同プロデュースによって全側面でスケールアップした2作目。とにかくライヴ感が大幅に増し、テンション漲る恐ろしく鮮明な音が迫りくる。そして、引き続きキャッチーなフランツ流〈踊れるロック〉を基本にしつつも、アコギやピアノを使った60年代ポップ調の楽曲群を違和感なく織り込み、メロウな表情も披露。そんなサウンドの多様化に伴って感情表現の幅も広がり、相変わらず興味深いキャラが各曲を彩るが、アレックス・カプラノスの等身大の想いも以前より強調されている。それがもっとも顕著なのが、〈努力すればもっと多くを得られる〉と挑戦的に訴えて、バンドの姿勢を総括する表題曲。そう、斜に構えたインテリ集団ではなく理想主義に燃える情熱家という素顔を、本作は突き付けている。
bounce (C)新谷 洋子
タワーレコード(2005年10月号掲載 (P75))