SUPER BUTTER DOGの楽曲「サヨナラCOLOR」よりインスピレーションを受け、竹中直人がメガホンを取った同名タイトル映画のオリジナル・アルバム。ハナレグミ、クラムボン、ナタリー・ワイズの3アーティストによるコラボレーションが楽しめる1枚。ハナレグミと忌野清志郎による「サヨナラCOLOR」デュエット・ヴァージョンも収録。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
スチャダラパーとAFRAがフリースタイルをかましながら、海岸沿いに停まった主人公、佐々木正平(竹中直人)の車の前を歩き去っていく冒頭のシーンから胸がトキめく。ビーチ沿いの気持ちいい空気感はもちろんのこと、各人のファンにとっては堪らない画ヅラでしょ、コレは。そしてカメラが、車のなかの居眠りから覚める正平を捉えたとき、〈あ、コイツは愛すべきダメ男だな〉と直観する。そんな第一印象は「サヨナラCOLOR」を観終わったあともずっと残るだろう。それこそが忘れられない作品というものだ。
SUPER BUTTER DOGの同名曲に激しくインスパイアされた竹中直人が、馬場当のオリジナル脚本にアイデアを加えていったという本作。海を目の前にした病院の医師である正平のもとに、高校時代から思い焦がれていた笈川未知子(原田知世)が偶然入院してくる。病名は子宮ガン。正平のことを覚えていないという未知子に毎日のように高校時代のエピソードを話しながら、献身的な治療を施していく(このへんはなんとなくペドロ・アルモドヴァルの「トーク・トゥ・ハー」を想起させる)。最初はしつこい男扱いしつつも病状の奇跡的な回復とともに正平との距離を縮めていく未知子だが、物語は思わぬ方向に……。居酒屋の女将を愛人に持ち、女子高生と援交している正平のシャイで不器用で真っ直ぐな生き様が、美しい映像と説明を排した演出のなかに躍動している。久々にスクリーンで観る原田知世は往年の角川映画同様、透明な魅力を湛えた存在感。また、入院患者役のBIKKE、原田郁子、永積タカシ、執刀医役の中島みゆきなどの怪演(?)にも注目だ。忌野清志郎が参加して生まれ変わったエンディング・テーマの“サヨナラCOLOR”をはじめ、竹中たっての希望であったハナレグミ、クラムボン、Nathalie Wiseの手掛けた音楽も、この映画をさらに忘れられないものにしている。
bounce (C)内田 暁男
タワーレコード(2005年09月号掲載 (P109))
去年あれだけ聴いたのに・・・・
ずっとずっと聴いていくであろう1枚。