Accessible" is not a word one usually associates with Japanese noise-rock mavens the Boredoms. And since the band's 2005 release SEADRUM/HOUSE OF SUN is comprised of two lengthy, sprawling jams that lack any semblance of conventional song structure, lyrics, or melody, this album is by no means a bid for commercial viability. Still, compared to the nerve-scraping, whiplash-inducing hardcore of much Boredoms material, SEADRUM/HOUSE OF SUN is the equivalent to floating in a warm, strange tropical bay.
"Seadrum" rises up from a combination of Meredith Monk-style vocalizations, Krautrock space jams, African drumming, and Sun Ra-inspired free jazz--a rhythmic pulse that increases in intensity over the song's 23-plus minutes. "House of Sun", alternately, is a hazy, psychedelic swarm with explicit Indian overtones in its motifs and instrumentation (which includes tanpura and sitars), and sounds like Ravi Shankar waking up inside a hive of bees. These descriptions may not initially sound appealing, but the Boredoms' usual flair for the unexpected has been integrated into a remarkable skill for sustaining organic, rhythmic, and melodic improvisations, making this one of their best and most listenable sets.|
Rovi
〈B or V〉ってのが問題ではなく、見た目ハードコアながら、音楽状況を的確に反映しているから、BOREDOMSだけ聴き続ければ世界がわかるような気持ちになって、原理主義にまで傾くわけだ、私なんざ。前作『VISION CREATION NEWSUN』をリリースした99年当時、ギターもベースもいたBOREDOMSは2004年には昆虫が変態するように、気がつけば3台のドラムとターンテーブルによるビート構築を中心とした類型のない集団に変わっていた。穏やかに打ち寄せると思いきや、激しく飛沫をあげる海をドラム・パターンの組み合わせで表現した前半部、キラキラしたシタールのドローンを中心とした後半部からなるこの『SEADRUM/HOUSE OF SUN』はその編成でなにができるか、ということを示したレポートともいえる作品。全部で2曲、都合43分。5年ぶりの新作ということを考えれば食い足りないというマニアな向きもいらっしゃるでしょうが、後年BOREDOMS史を繙けば今作は彼らの転換点として位置づけられるんじゃないか。『VISION~』時に、編集やエフェクト、極端なEQで誰も聴いたことがないような音像をめざしていたBOREDOMS(というかEYE)が本作では原音と元の演奏を活かす方向にシフトしている。一聴して滑らかな音の連なりは、もしかしたらDJ活動からフィードバックされたツナギの技術かとも勘ぐりたくなるが、EYE以外にとってもBOREDOMSとは、メンバー各自の音楽性をもっとも有機的な形に定着させるアイデアの総体に付けられた呼び名みたいなもんなんでしょう、きっと。
bounce (C)南部 真里
タワーレコード(2004年10月号掲載 (P72))
ふとした時に聴こえる女性の歌声というのは、やはり、何かがそこで生まれた感動を清冽に伝えてくれたりするもので、それに習えば、待ちに待った人は多いだろう、この生まれたてのニュー・アルバム、そこに2曲収録されたうちの冒頭の1曲──それは“SEADRUM”というタイトルが付けられている──の、いわば始まりの始まりでも、歓喜そのものが声帯を震わせて次から次へと産み落とされて見事な幕開けを告げている。そうしていつしか、その場に立ち会えたことの喜びに応じるようにリズムが鼓膜をうがち、キラキラとピアノの高音部を指が踊り、水面の乱反射と楽園風景が二重写しになっていく。〈トランシー〉なる形容詞は、個人的には実感としてどうにも使えないのだけれど、門外漢が抱いているイメージなどは呆気にとられた放心の中で軽く覆される。振り返れば、往々にしてテンポは変わり、また、フィルターに次ぐフィルターの向こうで空間の奥行きも体積も伸縮自在。だから、一度として同じ瞬間は繰り返されないし、時間も一方向に進んでいるかに見えて、波紋のように拡散していくのだ。それは次の“HOUSE OF SUN”にも顕著で、シタールの音色とギターの奔放な指取りが滲んでいくなか、ガイドラインがなくてもグルーヴは保持され得るという特殊技能が開陳。しかしそれは、標準装備の本能なのかもしれない。だからこそ、誰もが楽園に足を踏み入れることができるのだ。圧倒的自由への祝祭歌。恐れずに再生すれば、なんてうららかな好天が待ち受けていることだろう。
bounce (C)福田 教雄
タワーレコード(2004年10月号掲載 (P72))