『Heathen Chemistry』から3年振り、オアシス通算6作目のオリジナル・アルバム。今回は初めて“4人で”作り上げたアルバム。ノエルとリアムも、初めて2人で一つの曲を歌った。「そこに愛がありますように(Let There Be Love)」というフレーズが繰り返され、強く美しい余韻が残す。「『Definitely Maybe』を別格にすれば今までで一番気に入っているアルバム(ノエル)」というセリフから伺える“自信”。そして『真実を信じるな(Don't Believe The Truth)』という強烈なメッセージを掲げたアルバム・タイトル。4人のメンバーはそれぞれの体を通過した英雄達をその血に取り込み、誇らしげに、惜し気なく、その全ての恩恵をこの一枚に叩き込んだ。ここに響くのはロックの歴史であり、自身もその一部となっているロック伝説そのもの。オアシス誕生から10年・・・新たな歴史の瞬間を見逃すな!
タワーレコード(2009/04/08)
'Don't Believe The Truth' is the sixth studio album by 60's influenced stadium rock giants Oasis. Taking their base influences of The Beatles and The Rolling Stones, yet again Oasis have crafted an album that is packed with swagger and style, sounding classic without sounding dated. Includes the single 'Lyla'.|
Rovi
96年にUKに行ったとき、街でアディダスの三本線ジャージを着て、もみあげを伸ばしている連中をやたらと見かけた。オアシスのライヴを観に行くとさらにそんな連中ばかりで、最初から最後まで大合唱。しかも2日間で25万人。みんな〈なりきりリアム〉だった。オアシスとはそういうバンドだ。普遍的なメロディーを特別な声を持ったヴォーカリストが歌う。それが人々の心を惹きつけてやまない彼らの最大の魅力であり、それは今も変わることはない。約3年ぶりとなるこの新作はノエル・ギャラガー以外のメンバーによる楽曲が約半数を占めた初のアルバムである。それは今作を語るうえで重要なトピックではあるが、曲作りの比率は変わろうとも、間違いない良質なメロディーと歌が詰まった逸品に仕上がっている。特に“Let There Be Love”は最新にして最高レヴェルのクラシック! また〈なりきりリアム〉が大量発生するのかな。
bounce (C)浅井 克俊
タワーレコード(2005年06月号掲載 (P75))